第7話 新宿駅前
次の日は新宿まで足を伸ばしてみる。
新宿駅から徒歩五分で新宿駅前ギルドが見えてくる。大きな建物だ。
「ふぇー、デカいなぁ」
ビル丸ごとギルドになっているらしく、その中にダンジョンもあるらしい。
「よし、行ってみるか」
新宿駅前ギルドに入ってみると浅草ギルドなんか目じゃないくらいのデカさと綺麗さにビビる。
ギルドで受付をしてロッカールームで着替えて出ていく。ダンジョン内に入るとここはフィールド型と呼ばれるダンジョンのようで、空もあるし暗くない。奥に行けば深層になるのだろう。
上層はこの草原で合ってると思う。
気合いを入れて走っていくと、すぐにゴブリンなんかに出会うが、それを無視して走る。
「中層は荒野か、どんなモンスターがいるんだろ?」
と思ってると上空から槍が投げつけられる、ガーゴイルだ!
槍を取りに来たところを斬るとすぐにドロップ品に変わる。
「んー、あんまり手応えがないな」
中層も走って出てくるモンスターを倒して行く。
下層は森になっていた。
森の中を進んでいくとゴブリンキングやミノタウロス、キングブルなんかが出てくるがクローキングでバックアタックをするとすぐに凍りついてドロップ品に変わる。
「ここも行けそうだな」
森を抜けると沼地になっていた。
「うへぇ沼かよ」
ここのボスと思われるキングヒュドラが現れると、そうも言ってられない。
「ウインドランス」
ウインドランスはヒュドラの首を一つ抉る。
俺は沼地を避けて出てくるのを待つが沼地からあまり出てこないし、首も修復しているようだ。
毒を吐いて攻撃してくるが当たるわけには行かない。
仕方がないので火龍の豪剣に武器を変え、グランドクロスを発動する。
剣士の最上級スキルで遠距離攻撃だ。
『ギャアァァァァァァ』
上半身が消滅してしまったキングヒュドラはドロップしになるが結局は取りに行かないといけないので沼地に入ることになった。
「これでしょうもないドロップ品だったら最悪だな」
ドロップ品は光に包まれていたので沼で汚れてはいない。
牙に鱗に魔石。そして短剣より少し長めの剣がドロップしていた。
沼から出てウォーターで洗い流す。
さっぱりしていると奥の方に宝箱感知が反応したのでそちらに行ってみる。罠解除してから鍵を開けて中を見るとカードとスキルオーブが入っていた。
カードはショップカードでショップに入れると百万ゴールドだった。スキルオーブは鑑定してみると毒耐性だったのでありがたく使わせてもらう。スキルオーブを胸に当てると吸い込まれるように入って行く。
初めて宝箱感知が発動したのでドキドキしたが、いいものが手に入ってよかった。
「ふぅ、深層ももう少し回るか」
モンスターを倒しながら進む。
上層に向かいながらモンスターを倒して行くのでドンドン楽になる。
中層に入ってすぐ。
「キャアァァァァァ」
「だ、誰か助けてくれ!」
走ってその場に行くとゴブリンリーダーとゴブリン達に囲まれたパーティーが居た。
「今助ける!」
ゴブリン達を倒すとゴブリンリーダーがまた呼び寄せるのでゴブリンリーダーを先に倒す。あとはゴブリンを倒すだけで良かったのだが、
「あとはゴブリンだけだぞ?」
「は、はい」
なんとかゴブリンを倒したパーティーはゴブリンの魔石を拾って渡してくる。
「あの、ありがとうございました」
「いや、ゴブリンはお前達が倒したんだから取っておけよ。俺はリーダーの魔石を貰ったから」
「あ、は、はい」
「あと中層にくるのは早いんじゃないか?上層でしっかりレベル上げしろよ?」
「はい」
「行こう」
「うん」
学生かな?今の学生の思ってることはわからないな。
中層にくると人が多いな。
「キャアァァァァァ」
またかよ、走って行くとまた同じようなことになっている。
さっさと片付けて帰ろうとすると、
「あ、あの、ありがとうございました」
俺は振り向いて聞いてみる。
「いいけど、流行ってるのか?」
「え?」
「さっきも中層で人を助けたんだが、同じようなことになってたけど」
「あ、たぶん上層にモンスターがいないのが原因じゃないですかね?私達もモンスターを探してここまで来たので」
人が多すぎるダンジョンも考えものだな。
「なら他のダンジョンに行けばいいだろ?」
「はい、ここが一番死亡率が低いのでここにしたんですけど、上層が空いてるところにします」
「それでいいと思う」
そりゃモンスターがいなけりゃ死亡率も低いよな。
それからも悲鳴が聞こえるたびに中層を駆け回った。
「俺なんでこんなことやってんだ?」
「あの、ありがとうございます」
「いや、他のダンジョンで上層に行けよ?」
「はい」
こんな事しに来たんじゃないのにな。
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