行かなきゃ

あの日以来、海人と私は、一気に疎遠になっていった。だが、私の中の海人への気持ちは、未だにくすぶり続けていた。でも、いい加減なんとかしないとなぁと思っていると、

「いつまで、そんな暗い顔してんの?歌恋!」

「真夜。私の恋は終わっちゃった。」

「まだ、決まったわけじゃないでしょ?海人君は歌恋の気持ちに全く気づいてないだけじゃない。」

「そうだけど。今更迷惑だよ。」

「迷惑になったって、あとから後悔するよりマシだよ。それに早くしないと手遅れになるよ。」

「どういう事?」 

「先輩が今日の放課後に海人君に屋上で告白するらしいから。」

「えっ、急がなきゃ。」

急いで席を立ち、屋上へと向かう。後ろから

「歌恋!後悔のないようにね!」

と真夜の声が聞こえた。その声を聞いて覚悟を決めた私は、階段を駆け上がる。

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