第5集……寄托大正大地震屠殺遇難者哀思 関東大震災虐殺事件の犠牲者を追悼する

人人雖有平  人人に平有りと雖も


懼者不聽聲  懼れる者は声を聴かず


卑劣徒癡行  卑劣なる徒の痴なる行なひは


垂身不可輕  身を軽んずべからずと垂る





【 現代中国語(普通話) 読み 】


rénrén suī yǒu píng


jù zhě bù tīng shēng


bēiliè tú chī xíng


chuí shēn bùkě qīng





【 解説 】

生命の重さの前には国籍も性別も貧富の差も何もない、という詩です。

大正の大震災から100年という節目の年に、日本人として改めて、この事件を真摯に受け止めなくてはいけないという思いで詠みました。

災害に遭いながら助かった命を、パニックにより暴徒化した人々に残酷に奪われる。助けるために奮闘した日本人は大勢いましたが、しかし、歪んだ正義感で暴行に加担した人もまた大勢いました。日本国籍を持ってないことが、日本人でも標準語を喋れないことが、私刑を受けるほどの罪なのか。

今回は、こうした背景に対する思いを伝えることを大切にしたため、同字重出も(助詞は大目に見るという意見もありますし)敢えて直さずに公開します。因みに「垂」は文語で、「後世に残す、伝わる」という意味があります。

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