前世で病死した私の次の人生はゴミ箱でした…?!

@8790

第1話

「はぁ…私死んじゃうんだろうなぁ…もっと…行きたかったなぁ」


展望台の上でそう言いながらレイラは涙をこぼした

彼女はまだ15歳、人生に終わりを告げるにはまだ早過ぎる年齢だ。


「……神様…!!お願いします!!来世では…長生きさせて下さい!!」


レイラの願いはただ生きる事だけ。

ケーキ屋さんで働きたいとか幸せな結婚をしたいとかそんな夢はない

なぜなら…長く生きられるかも分からないのにそんな夢を想像したって後から虚しくなるだけだとレイラは思っているからだ。


《ふふっ…貴方、ずいぶんと大きな夢を持っているのね。》


レイラが天に向かって願いを叫ぶと突然目の前に小さな少女?が現れた。


「…え?何…君…いきなり失礼じゃない?」


《そうかしら?私はただ思った事を言っただけよ?悪意があって言ったわけでは無いわ》


「…君。お父さんとお母さんは?まさか…たった一人で来たわけではないよね?」


《(お父さんとお母さん…?もしかして家族?ってやつかしら…)》


《私に家族は居ないわよ?ずっと1人だもの。》


「…そうなんだ…なんか…ごめん。」


《なぜ謝る必要があるの?ごめんなさい…私人間については勉強中で…よく分かっていないの。》


「……人間について?君、漫画の読み過ぎじゃない?」


レイラはニヤつきながらそう謎の少女に言った。


《…漫画?……》


レイラがそう言うと謎の少女は黙り込んでしまった


「うん、漫画。読んだ事ないの?君くらいの年齢なら1度は読んだ事あると思うけど…」


レイラは少女の年齢を見た目から8歳だと予想した。

少女はシマエナガに似ていて、とても可憐な姿をしている

…この世の者とは思えない程に…


《ごめんなさい…1度も読んだ事は無いわ。そうね…今度機会があったら読んでみようと思う》


「そっか…漫画はとっても面白いよ!現実を忘れさせてくれる程にね…」


《………貴方、あまり良い思いをしていないみたいね…ごめんなさい…私の力が強ければ…》


「…力?君さっきから何を言ってるの?まぁいいや……初対面の君に言うような事じゃないけど聞いてくれる?」


《…?えぇ、私で良ければ聞かせてちょうだい》


「ありがとう。君とは気が合う気がするよ」


《……ふふっ》


少女はその言葉を聞くとちょっとだけ安心したかのように微笑んだ


「あのね私、産まれた時からずっと病気と一緒に暮らしてきたの。それでね…だんだん成長と共に病気も重くなっていってさ…唯一の友達のアルマとも遊べなくなっちゃったんだ。アルマ本当に優しくてさ…遊べなくなった私と今でも毎日手紙でやり取りをしてくれてるの。すっごく優しいでしょう?自慢の親友なんだ」


《えぇ…優しい友達ね。》


「でしょ!それでね…遂にずっと私を見てくれてたお医者さんから5日前に余命宣告されちゃってね…。それがさ…死ぬのが明日なんだ。私さ…アルマには…最後のお別れをしたくて…昨日手紙で展望台で会おうって書いたの…そしたらアルマ、分かったって言ってくれて…私…手紙には会おうとしか書いてなくて…死ぬ事は書かなかったんだ。書く勇気がなくてさ…おかしいよね…ずっと前から長くは生きられないって分かってたのに……。」


レイラは泣きながら話す


《……泣かないで…レイラ…》


少女はそう言い悲しい表情を浮かべながらレイラの涙を拭った。


「…ありがとう。だからね、今日はアルマに今までありがとうって伝えるんだ。後15分後には来るはず…」


《…頑張って、レイラ。私は応援する事しか出来ないけれど…隅から見ていても良いかしら?》


「うん、勿論…話を聞いてくれてありがとう!!なんだか少しだけスッキリしたよ」


《そう…それなら良かったわ。》


少女は微笑んだ


「あっ…そういえば君、名前は?」


レイラがそう言った瞬間背後からレイラを呼ぶ声が聞こえた。


【レイラーー!!】


「アルマ!!ごめんね、急に…」


【大丈夫だよ!レイラ!!それよりも体調はどう?】


アルマはレイラに抱きつきながらそう言った。


「いつも通りだよ。」


【そっか…いつか治るよ!!あたしが治るおまじないをかけてあげる!!】


「…ありがとう。アルマ…私ね、今日伝えないといけない事があるの。」


【…伝えないといけない事?なになにっ?!】


「あのね…アルマ…私、明日死んじゃうんだ。」


【…え?】


レイラがそう言うとアルマは立ちすくんでしまった。


「ごめんね!急に…だから…アルマに最後のお別れをしたくて…今までありがとう!!アルマ!」


レイラは泣きそうになるのを必死に隠しながら笑顔でそう言った


【なんで…どうして、レイラ!!やだよ…死なないで…お願い…行かないで!!】


「…ごめんね。アルマ、私、やっぱり無理だった…病気には勝てなかったよ…」


【……っ!!レイラのせいじゃないよ!!どうして…レイラ…どうして神様は良い人ばかりを連れていっちゃうのっ?!】


アルマはレイラに抱きつき泣きながらそう言った。


「ごめんねぇ…アルマ…。」


レイラはそれだけ言うと泣き始めてしまった。


〜5分後〜


【うぅ…あたし、明日学校休むよ。レイラ…。】


「…ありがとう、アルマ。あ、そうだ…思い出話でもしようよ。明日にはきっと話せなくなるだろうから…」


【……うん。そうだね…】


2人はそう言うと3時間話し続けた。


「……ありがとう。アルマ…私そろそろ帰らなくちゃ、またね、アルマ!本当にありがとう!!」


【……うん。レイラ…あたし明日、絶対会いに行くからね!!】


「ありがとうっ!!」


2人は泣きながらそう約束した。

そして5分後アルマは帰って行った


《…レイラ…。》


「あっ!ごめん!!君の事忘れてたよ!」


少女の顔には泣き跡が付いていた


「…もう帰らなくちゃ…ねぇ、君も明日、会いに来てくれない?お願い!!」


《えぇ勿論…約束よ》


「ありがとうっ!じゃあまたね!!」


〜次の日〜


〔朝7時〕


「ハァ…ハァ…。苦しい…ハァ…ハァ…。アルマ…」


【あたしはここに居るよ!レイラっ!!】


アルマは泣きながらレイラの手を握る。


「お母さん…お父さん…」


〔お母さんはここよ…!!〕

〔お父さんもここに居るぞ!!〕


「……えへへ」(私…幸せだなぁ皆んなに見守られてさぁ…あ、昨日の女の子はどこに居るんだろう…)


レイラはキョロキョロと辺りを見渡す


「(あ…居た。良かったぁ〜。)」


謎の少女はレイラと目が合うと手を振った


「みんなぁ…今まで…ありがとう。あ…い…し…て…る」


そう言うとレイラは息を引き取った。


レイラーーー!!

レイラぁ

レイラ、、、

レイラ…


その場に居た全員が泣いた。




しばらくすると…レイラは転生した


「はぁぁぁぁ…転生って普通人間になるんじゃないのぉ?なんで私ゴミ箱になってるの?」


レイラはため息をそう文句を言った


「……え?この思い出も捨てるんですか?」


どうやらレイラが転生したゴミ箱は普通のゴミ箱ではないようだ。


ここまで読んで頂きありがとうございます!

次のお話も読んでくださると更に喜びます!!

アルファポリスで主に活動しております、そちらの方が話が進んでいるので是非アルファポリスからもお読みいただけたらなと思います

本当にありがとうございました〜!!

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