当たり前こそが『彼女』の日常である。_朝

ヴー、ヴー、ヴー……

「………ん、んん……?」

と受李はアラームを鳴らしてるスマホに手を伸ばす。そして、アラームを止めから受李は、「グオォォォ!」とイビキかいて寝た。

「いや、起きろやぁぁぁぁ!」

「うるせぇ!」

とエプロン姿の蓮佳がキッチンから飛び出してきたのだった。その反動で受李は折るように起き上がった。

「おいお前、今何時だと思ってんだよ」

「ん〜、六時」

「七時半だわボケ!ほら、早く起きろ!」

と蓮佳が布団を取り、そして、即座に着替えた。

「早く、朝ごはんを食べるんだよ」

「その前に顔を洗ってもいい??」

「あー、そういえば、お前さんは顔を洗うんだよ。だったらはよして」

そう言い蓮佳はやれやれと呆れて言いながらキッチンに向かおうとした。すると

「………」

「……?」

なんといきなり蓮佳が止まったのだった。そして、後ろを向くなり、少しニヤニヤしていた。

「なんだよ……」

「へへっ、なんでも?」

「?」

と受李は洗面所に向かった途端、その理由がすぐに分かった。受李の顔には「バカ」「アホ」の他に仮●ライ●ーギャ●ンの顔文字が油性ペンで書かれてたのだった。それを見た受李は

「………すごいな。これ」



「終わったよ〜」

「おお、早よ飯食おうぜ。そうしないと……うわぁ!」

「なんだよ」

蓮佳が震える声で言った。

「おま…まだ残っているぞ。というか全然、落ちてねぇじゃねぇか!」

「うん、そだよ。」

なんと受李はそのいたずら書きのまま行こうとしていたのだ。普通の人なら「ふざけんなよ!●●!こうなったら覚えとけよ!」と怒りながら洗うはずなのに受李は何故か興奮気味で

「ちょっと、気に入ったから、このまま行こうかと」

「バカァ!周りの人から笑われたらどうすんだよ!」

と蓮佳がつっこむ。

「メイクだよって言っとく」

「メイクだよ〜、じゃねぇわ!とにかく、ほら洗うよ!」

と蓮佳はエプロンをその場で脱ぎ捨てて、受李のシャツの襟を引っ張っては洗面所に向かう。と早々に受李が叫んだ

「ぎぃぃぃぃやぁぁ!!!メイクがぁぁぁ!わしのメイクがぁぁぁ!」

「何がメイクがだ!それのどこがメイクじゃぼけ!まぁ…それ、俺がやった事だけど…まさか、気に入るとは思わなかったよ!」

「さすがじゃん蓮佳。これで一流のメイクアップアーティストだ!」

「お前、それ煽りか!ほら、消えたよ!」

少し言い争いをしたはずのにいつの間にかいたずら書きされた顔から、すっぴんでも綺麗な顔に変わった。それを見た受李は手を覆い隠し

「うう……、ひどいよ蓮佳。せっかく蓮佳が書いてくれたギャ●ンが……」

「それか!だから、嫌がってたのかよ!」

「めっちゃ気に入ったからつい、写真撮っていたのに……」

「とるなー!めっちゃ恥ずいわー!」

蓮佳は顔を赤らめながらも大声で言ったあと「はぁ…」と呆れたかのようにため息をついて涙目から一気に真顔に変わった受李を見ては

「本当に変わってないな……」

と呆れ声で受李の頭をぽんぽんと軽く叩く。

「うっせ」

「はぁ……ほら、飯だ。さっさと食べてさっさと学校行きな」

「うん」

と受李は蓮佳の言う通りに朝飯を食って、学校に向かった。


「あ、愛川さん」

「はい?」

と学校の玄関で靴を入れ替えようとした受李に声をかけたのは受李の担任でありFカップもある星川ララである。

「ん?どうかしましたか?」

「それが………お願いします!」

突然に星川先生が土下座をしてきたのだった。それに対して受李はと察してはため息をついた。

「まーたゴリ田先生が、パソコンを壊したのですかー」

「はい、そうです」

「馬鹿じゃないの?あのゴリラ」

「そんな言わないでよ……これでもゴリ田先生はパソコン教室を受けているものだから」

そういいながら受李と星川は職員室に向かう。きっと、絶対にパソコン壊してそう…と受李は思っていたら

「ゴリ田先生、すいません。愛川さん呼びましたよ」

「あ……」

「……」

案の定、筋肉ムキムキのゴリ田先生のパソコンから煙が見えていた。この様子を見た教師方は事情は知っているので呆れ状態である。そして、この様子を見た受李は

「……このどこが、パソコン教室に通ってる奴なんですか?」

「私も……そう思っているけど……」

「とにかく、ちょっと見ときますね……」

と受李はカバンを置いてゴリ田先生のパソコンに近づいた。いつ間にか持っていた軍手をはめては、パソコンの電源を切って、内部を見てみると

「………あー、やられてますね」

「え、マジか?」

「はいマジです。めっちゃ中身が焦げています」

「やっぱり〜」

とさらに呆れる教師達。

「んで、どうしたらこうなったんですか?」

「えっと……誤って、コーヒーをパソコンに落としていて………」

「うんうん」

「それで大変だ!と思い、高速で雑巾を拭いたら……こんなことに………」

「ほうほう、馬鹿か」

「んな……先生に向かって馬鹿とはなんだ!お前だって馬鹿だろうが」

と「馬鹿」呼ばわりされたゴリ田先生は大声で怒鳴った。

「むしろ、高速で雑巾を拭いたら、パソコンがショートするわボケ。パソコンは大雑把じゃねぇんだよ。そこんとこ分かれ」

「そうですよ、ゴリ田先生。そんなに高速で雑巾吹かれたらさすがにパソコンは壊れますって」

「ぐっ……」

「要はこれは買い替えですね。ちゃんと嘘つかずに買い替えてくださいね」

「……分ーったよ」

とゴリ田先生は反省をした。すると一段落をついたか……受李は軍手を外し、カバンを持って職員室を後に教室へと向かった。しかし、そんな受李を気に食わないのか一人の女子生徒が彼女を許せずに睨んだ目で彼女を見つめていたのを知らずに受李は

「はぁ……ギャ●ン……」

とメイクのことで呟いていた。

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