散策

 その日は休日で、めずらしく一人ででかけていたプラグ。服をみたり、食べ物をみたりしていたが、その途中でマルグリッドを見かけた。手を上げ声をかけようとした瞬間、傍らからエリサがひょっこり姿を現し、なぜか気まずく姿を隠した。


 エリサは暫くしてマルグリッドと離れ、近くの孤児院に帰っていった。マルグリッドは後ろをふりむく。と、コートをきた探偵か刑事のような姿をした3人組が近づき

、マルグリッドは彼らについていったのだった。プラグは心配したが、何てことはないだろうと思いこみ、孤児院へ帰っていった。


 その頃、マルグリッドは、刑事たちに尋問をうけていた。

「お宅の“プラグ”君、この前“青の夜鳥”が暴れまわった時に目撃されてるんですよ、でもその現場にあったはずのソレと戦ったオートマタがなくなっている、あなたにとって彼は何どういう存在ですか?」

「彼は私の弟ですl私にとって大事なのは、彼だけですから、いたずらはするものの彼が“青の夜鳥”なわけがありません、暴力はいけないといつも教えていますから」

「もう一つ尋ねたいのですが、お宅の同僚の、アイリーンさん、あの人についても調べれば調べるほど不思議なんですが、でも“ヴァルシュヴァル卿”のお気に入りらしくてね、彼女にも目をつけているんです、どうか、よく見といてくれませんか」

 そういうとマルグリッドはやけに笑顔になり、わらっていった。

「はい、わかりました」


 その午後、プラグは就寝時に寝付けずに孤児院を散策していた。マルグリッドが見回りをしていたがその目をかいくぐり、かつてクランに殴られたあの教室に通りかかったとき、教室の電気がついていることに気づいて底を覗いた。そこには奇妙な、いびつな光景がひろがっていた。

 アイリーンが何かを抱いている。足までつかって奇妙に、枕をだくようにして、そこに収まっているのがクランだというのがまた奇妙だった。クランが声をあげる。

「ママ……」

 アイリーンが答えた。

「あと少し、あと少しよ……あと少しで任務を果たせるわ、卿は自らの手を汚す事を嫌うから、彼はひどく苦しんでいる、あの“最終戦争”にて、帝国アルシュベルドの非道にキリをつけたのが若き日の彼、彼はアシュベルド人を憎んではいない、罪を憎んでいるだけよ」

 “ゴソ……”

 プラグが教室の扉にてをかけ、扉がずれた、瞬間プラグは身を隠し、こちらに迫ってくる足音をきいて、すぐさまそこから逃げ出した。


 あとには、教室からでて、廊下を見渡し

「だれ?」

 ともらすだけのアイリーンが残った。 

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