第28話 嘆き地下迷宮 踏破
宝箱の確認は帰ってからのお楽しみってことで、30階層を目指して移動を始める。
「今日は30階層のボス部屋前まで行くからね。そこで野営するからそのつもりでね」
「「かしこまりました」」
現れた魔物は私のサポートで、従者達が仕留める形で倒していくけど、ボス部屋での戦いでの疲労が原因で、動きにキレがなかった。
「ここからは私が倒していくね。明日中にクリアしないと時間がないからさ、頑張ってついて来てね」
「「かしこまりました」」
「足を引っ張って申し訳ありません……」
「もう少し余裕を持って来るべきだったね。ダンジョンを甘く見てた私の責任だから気に病まないでね」
ゼシカは悔しそうに謝ったけど、厳しい行程を組んだ私にも責任がある。なので、気に病むことはないとだけ伝えておいた。
そこからは、私が先頭に立って強力な魔法をぶっ放して先を急ぐ、早く到着して休ませてあげたい。私はアーニャ様の加護で無限の魔力だから、最高クラスの魔法を惜しみなく使い続けたおかけで、想像以上の早さで30階層のボス部屋前にたどり着いた。
「よし、お疲れ様!誰も来ないと思うから、転移魔法陣を設置してから、ルミナスの森へ帰ってゆっくり休んで明日に備えちゃう?」
「大丈夫です!直ぐに野営の準備をしますので、アリス様はしばらくお待ちください。アナ、リューネ、直ぐに準備に取りかかるわよ」
「「はい、姉様!」」
従者達が疲れてるだろうと思って、ルミナスの森の屋敷へ帰ってゆっくりと休むことを提案すると、ゼシカは迷わずに『NO』と答えた。従者としてのプライドが、疲れたことを理由に帰ることを許さなかったみたい。流石に手伝おうとしたんだけど、そのことに気づいたリューネが笑顔で断ったの。
「主人であるアリス様に手伝ってもらう訳にはいきません。私達に全てを任せてお待ちください」
「うん、判った」
アナが┃妖精の
「お待たせしました。唐揚げとミンチカツとそぼろ丼になります」
「やっぱり肉なのね……」
「疲れを取るには肉一択ですから」
どんなに疲れていてもブレないゼシカ、私なら疲れ切ってる時はもっと軽い食事にするけどね。
私とゼシカは肉料理を普通に食べれたけど、アナとリューネはそぼろ丼をなんとか頬張っていた。そして食事を終えると疲れた身体を癒す為に休息をとって、翌朝となり朝食を取ってからボス部屋へ向う前に、おそらく強敵だと思うので先に指示を出しておく。
「このボス部屋をクリアすれば、嘆きの地下迷宮の踏破になるけど、かなりの強敵が控えてると思うの。相手次第で〚拒絶〛を使って終わらせるからね」
「「かしこまりました」」
指示を終え、私はボス部屋のドアを開けて中へと進んでいく、霧が発生して徐々に薄くなってくると、人型の魔物が現れたので鑑定する。
【ディアボロス】
【HP】15,000
【MP】12,000
【筋力】12,000
【防御】10,000
【敏捷】18,000
〚
超ヤバイのが出てた。戦ったら絶対に負けちゃうので〚拒絶〛を使うことにした。
「ディアボロスが生存することを〚拒絶〛する」
「おい……」
『ドサッ……』
本当に申し訳ないと思ったけど、〚拒絶〛を唱えたら『おい』とディアボロスに突っ込まれたけど、その瞬間に絶命した。驚くほど呆気なく終わったけど、私は嘆きの地下迷宮を踏破した初めての冒険者となったのだった。
(強くなったらまた来ます……)
そんな訳で、魔石と宝箱を回収してルミナスの森へと戻って行ったのだった……
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