第26話 ダンジョン三昧②

 少し休憩を取ってから、25階層を目指してダンジョン攻略を再開する。25階層のボス部屋前までは以前に到達してたので、ゼシカの指示で現れた魔物を討伐して進んで行く。


「単体で現れれば苦戦することはありませんね」

「そうだね。何度か戦闘を経験したことで、攻略方法が確立したみたいだね。3人の成長が目に見えて嬉しい限りだよ」

「「ありがとうございます」」


 私が3人を褒めた後も、順調にダンジョンを進んで行くと、ようやく25階層にあるボス部屋の前に到着することができたので、この日はここで野営をして翌日にボス部屋に挑むことにした。


「はい、今日はここまでね」

「かしこまりました。リューネは妖精の天蓋フェアリーテントの設置を、私とアナは食事の用意をするわよ。アリス様は天蓋テントの設置が終わりましたら湯浴みしてお待ちください」

「「OK!」」


 私は食事の用意ができるまでの間は、リューネに湯浴みを手伝ってもらい、あがる頃には夕食ができあがっていた。


「アリス様お待たせしました。ローストビーフとステーキにスープ代わりにビーフシチューになります」

「あっ、うん……やっぱりゼシカはブレないね……」

「私は、もう少し肉を減らそうと言ったのですが、私では姉様を止めることができませんでした」

「ううん、私が言っても多分聞かないからね……」


 肉ばかりのフルコースを止められなかったと、アナが頭を下げてきたけど、おそらく私が言ったところでゼシカは止まらない。それぼとゼシカの肉に対する執着心は凄まじいのだった……


 肉ばかりの夕食を済ませた後は就寝。そして翌日になり、万全の体調で25階層のボス部屋へ挑むことにした。今回は初めて入るので何が現れるか判らないので、入る前に注意を促しておく。


「ボス部屋ではなにが現れるか判らないから、私が指示を出すからそのつもりでね」

「「かしこまりました」」

「じゃあ、行こうか〜!」

「「はい!」」


 私がドアを開けて部屋の中へと進んでいくと、ドアが閉まって周りを霧がつつむ、この霧が晴れるとボスとの戦いが始まる。


『スゥーーーッ』


 霧が晴れてくると、キラキラと輝く魔物が1体現れた。いくつものブロックみたいなパーツの集合体は、おそらくゴーレムの部類だと思ったので、鑑定で確認をしてみた。


【インペリアルゴーレム】

【HP】2500

【MP】1500

【筋力】1500

【防御】2500

【敏捷】1000

突撃アサルトアタック〛〚反射リフレクト


 かなりの強敵で、物理と魔法のどちらの攻撃にも対応する感じから、アダマンタートルとまではいかないけど、攻撃でダメージを入れるのは難しそうな相手だった。


「亀の劣化版だから、私が少し手を加えるから3人も参加してみようか」

「「かしこまりました」」

「インペリアルゴーレムのスキル〚反射リフレクト〛を〚拒絶〛する。これで魔法が当たるからね。先ずは私が引き付けるから、好きなタイミング魔法を撃ってみて」


 私は指示を出した後に、インペリアルゴーレムに近づくと、突然体がバラバラになって、いくつものブロックが私に襲いかかってきた。


『ビュン、ビュビュンッ!』

「わっ、バラバラになれるの?面倒だな!」

「アリス様!」

「これじゃ狙えないね。リューネで砲撃の準備、1点に集めるから合図と同時に最大出力でぶっ放してね!」

「かしこまりました」


 私はブロックを躱しながら、リューネの射線軸へと誘導をして、ここだというタイミングで合図を送る。


「リューネ!」

「はい、砲撃キャノンショット!」

『ドッパーーンッ!』


 リューネの大剣砲から魔力弾が放たれると、集まった全てのブロックを光が突き抜けると、破壊することはできずに原型を留めていた。

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