第24話 私は着せ替え人形?
流石に多過ぎると思って減らそうと声をかける。
「ねぇ……、流石に多過ぎないかな?半分でも十分だと思うんだけどね」
「えっ、なにを言われるのですか?これはあくまで春用の衣服であって、まだ夏用、秋用、冬用の衣服も作る予定なんですよ?」
私が多過ぎると言ってるのに、ミネバは当たり前のように、もっとたくさんの衣複を作ると言い返してきた。その場に居た全員も『ウンウン』と頷いてるので、そのつもりのようだ。
「そんなにたくさん作るとさ、みんなの衣服を作る素材がなくなっちゃうし、保管するのが大変だよ?」
「それについては全く問題ありません。我々の衣服は自動修復機能と、自動洗浄機能を付与していただければ、1着あれば十分です。保管場所については、無限収納が可能なクローゼットを作っていただければ、どれだけ作っても収納可能になります」
「「流石はミネバ!」」
ミネバは大量の衣服の保管法については、無限収納の活用方法を思いついてたようで、その場から歓声と拍手が巻きおこった。
「それなら私も1着ずつで良くない?」
「アリス様は我々の主なのですよ。たくさんの衣服を身に着けて着飾って頂かないと、我々メイドの楽しみが、あっゲフゲフ……失礼致しました。これも主の務めと思っていただきたいのです」
一瞬、シオンの本音が聞こえた気がした。私を着せ替え人形だと思ってるのかな?
「ちょっと、シオン?私を着飾らせて楽しもうと思ってない?」
「申し訳ありません。しかし、その美しさは着飾ってこそ更に輝くと思ってます。どうか、我々メイド達の願いを叶えくださいませんか?」
「「お願いします」」
シオンの言葉の後に、他のメイド達も頭を下げてくると、断れない私は認めるしかなかった。
「う〜ん、判ったよ。お洒落は元々嫌いじゃないから認めるよ」
「「ありがとうございます」」
そんな訳で、龍鱗を使った貴重な糸を贅沢に使った衣服をたくさん作ることになった。衣服とはいえ物理と魔法攻撃を軽減させるので、防具を身に着けてない時でも、身の安全は守られるから安心かな?
次はミネバを筆頭にメイドや守衛の衣服と防具も作ることにした。私と従者には少し劣るけど竜鱗を使った糸で、ミネバにはツイードスーツを、メイドにはシンプルなメイド服を作る。当然だけど自動修復と洗浄機能付きの物にした。 守衛達はプレートアーマーを希望したので、オリハルコンで自動調整を付与した物を作って与えたの。
すると、2人の眷属がピアスから元の姿に戻って、話しかけてきたの。どうやら服が欲しくなったらしい。
「「アリス様、ボク達も服が欲しい〜」」
「ゼシカ達と同じ服なんかどう?」
「「うん、ゼシカと同じ服でいい」」
「じゃあ、色だけ変えて作ってあげるね」
「「ありがとう〜」」
ようやく武器、防具、衣服の全てが揃った。
明日から英傑学院に入学までは、冒険者として活動する事にしたので、魔物を討伐しまくってお金をいっぱい稼ぐことにしたのだった。
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