第17話 冒険者ギルド副総裁

 私はダンジョン課からの呼び出しコールを待ちながら、王都近辺にあるダンジョンっのことを考えていると、〘並列思考セラフィム〙がダンジョンの情報を教えてくれた。


『アリス様、表沙汰になってませんが【深淵大迷宮】という、禁忌クラスのダンジョンがございます。英雄クラスでも命を落とす危険がある為に、現在はグリエル王国によって封鎖されてます』

『禁忌クラス!さらに封鎖って聞かされると、興味が湧いてくるね』

『教皇の【大結界】聖女血縁者の【聖結界】勇者血縁者の【魔封結界】の三重結界により守られてるので、入る事すら叶わない所です』

『えぇ!入ってみたいなぁ〜』


 なんか凄いワードがたくさん出てきて、私のテンションはあがる一方だ。〘並列思考セラフィム〙はさらに煽るような言葉を私にかける。


『アリス様なら、英雄達すら跳ね返した【深淵大迷宮】を攻略できると私は思っております』

『あはっ、ありがとう。封鎖されて入れないなら、英傑学園を卒業した後にでも考えようかな?』

『結界の解除方法を調べておきます』

『うん、お願いするね』


 私と〘並列思考セラフィム〙の会話が終わったタイミングで、迷宮課から呼び出しコールがあり、ミネバが対応してくれた。


「大変お待たせ致しました。光の絆のアリス様!」

「はい、私はアリス様の秘書を務めるミネバです」

「私は迷宮課のベッツです。応接室へご案内しますので、こちらへお越しください」

「判りました」


 受付カウンターで、適当にダンジョンの情報が記された羊皮紙を、手渡されると思ってたんだけど、応接室へ案内されるってことは、禁忌のダンジョンの情報が貰えるのかと期待しながら移動したのだった。


「ようこそいらっしゃいました。私は迷宮課で課長を務める冒険者ギルド副総裁のガルムと申します」


 応接室へ入ると、冒険者ギルド副総裁が私達を待っていた。超がつく大物が現れて何事かと思っていると、ミネバが私の代わりに挨拶をした。


「私はアリス様の秘書を務めてるミネバです。ダンジョンの情報を求めたのに、どうして副総裁がこの場に居るのですか?」

「ははっ、そんなに身構えないで欲しい。王都近辺にあるダンジョンの情報との事でしたね。ダンジョンは3つあるのですが、その1つに禁忌指定のダンジョンがあって、それについては何も教えることができなのでご理解を」


 やはり禁忌指定のダンジョンは名前すら教えてもらえなかった。〘並列思考セラフィム〙から聞いてからある程度のことは判ってるから深くは聞かない。


「かしこまりました。では残り2つのダンジョンについて教えて頂けますか?」

「はい、【九頭龍之山ナインヘッズ】RankSと【煉獄大迷宮インフェルノ】RankAの2つのダンジョンがあります」

「どちらのダンジョンへも普通に入ることが可能なのでしょうか?」

「RankB以上の制限となってますが、光の絆の様達はクリアしてるので問題ありません」

「なにか必要な手続きはごさいますか?」

「2つのダンジョンともに、入場時に受付を済ませないと入れません。入場手続きを済ませれば結構です」


 どっちのダンジョンも入れることを確認すると、ミネバが私の顔を見たので私は軽く頷いて合図をした


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る