第15話 冒険者ギルド総本部

 リフォームの合間に息抜きを兼ねて、王都にある【冒険者ギルド総本部】へと向かってみた。


 王都にはギルド通りというものがあって、そこには【冒険者】【魔術】【武術】【商業】【錬金術】【農業】などの多種多様なギルドが並んでいる。

 その中でも一際大きな建物で【剣と盾】の大きい看板を揚げているのが【冒険者ギルド総本部】で、世界各地にある【冒険者ギルド】の全てを統括してる場所なの。


 私達を乗せた馬車が冒険者ギルド総本部の大きな建物の前に停まった。馬車から降りてから建物を見上げていると、思わず感想が口から漏れた。


「わぁ〜、立派で大きな建物だね。これが冒険者ギルド総本部なんだね〜」

「確かに立派な建物なのですが、私は冒険者ギルドに良いイメージがありません。中へ入って職員の対応は残念なものかも知れませんから……」


 私の感想を聞いたゼシカは、これまでの冒険者ギルドが不手際を繰り返してたせいか、未だに冒険者ギルドへのイメージは悪いみたいで、アナとリューネも頷いてる。私もハッキリ言えば好きとは言えなかった。

「まぁ、流石に冒険者ギルド総本部なら大丈夫じゃないのかな?」

「「そう願いたいです」」


 【冒険者ギルド】=何かやらかすってイメージを、そろそろ挽回して欲しいと思いつつ、私達は大きな扉を開けて冒険者ギルド総本部の建物の中へと入っていった。

 これまでなら、荒くれ者で溢れているのが普通だったけど、ここはそんな雰囲気は全くなくて、身嗜みをキチンと整えた冒険者達が、各受付にマナー良く並んでいるのだった。


 あまりにも予想と違い過ぎて、私は思わず口を滑らせてしまう。


「うん、これは逆にひくねぇ〜……」

「なんか、裏切られた感が半端ないですね……」


 私が感想を口にすると、これにはゼシカ達も同意見だった。王都にあるからそうなのかも知れないけど、あまりのギャップ差に、異世界に来たのかと思ってしまうほどだった。


「とりあえず、更新課に並んでギルドカードの更新をするよ。その後は、王都近辺にあるダンジョンの情報を教えてもらって帰るからね」

「「かしこまりました」」


 今までなら、女だけのパーティーだと冷ややかな目や、脳筋な輩に声をかけられたりしたけど、ここでは全く絡まれることなく、私達の順番が回ってきた。


 何も起こらない方が良いんだけど、何かしらやらかすのが冒険者ギルドだって思ってたから、なぜが物足りなく感じてる自分が居たのだった。

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