あとがき
まえがきでも述べた通り、これらはフィクションである。
母と恋人を重ねた。友人に言われたことを誇張して連ねた。どこかの誰かに背中を押されて死んだ。恋人に言われたこともないことを、言われたことにした。
全てフィクションだ。現実にはない、架空世界での物語。
ただやはりこれもまえがきで述べたが、私が書いているということ自体は、紛れもない事実である。
物語は全て私の頭の中で構成され、他の誰かの考えだとか思いだとか、そういうものが入り込むこともあり得ない。
きっと一度も飛ばさずにここまで読んだ人はいないだろう。だから、ここで私が急に文章を途切れさせても誰も気づかない。
この文章群は何か一貫した思いがあるわけでも、読む者たちに伝えたいことがあるわけでも何でもない。
ただの寄せ集めで、何の価値もない。
思いを込めた覚えのない作品には、何が宿るだろうか。
もし仮に、いないとは思うが、最後まで読んだうえで私の思いを考察してくれるようなものが現れれば、私のこの鬱とかいう面倒くさい病も消えてなくなるのかもしれない。
これはそう、完全なる他人任せの、あるいは私の自己治療のための、作品と言うにも烏滸がましいような。
そろそろ書くのが面倒臭くなってきた。
と言うか、なぜ私は部会終わりに後輩が駄弁っている場所で、喋らずに気を取られながらこんな駄文を書いているのか。
そろそろ終わろう。
結局、本当に鬱でどうしようもなかったときは小説も詩も何も書けていなかったのだから。
これは無駄なんだろう。
自分が何を書いているのかも分からなくなってきた。
私は、きっと負けない。
勝つこともないかもしれないが、私は、きっと。
この世界がいくら残酷でも、私を殺そうと躍起になっても、私は負けない。
いつか、私の小説は
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