第5話

 桜も散って、なんか急激に暖かくなって、ブラウスも長袖から半袖に変化してくるこの季節。


 私たちはプール清掃をしている。

記録的な猛暑が予想されるみたいなので早めのプール開きをするみたい。


 「ちょっとやめなさいよ。雪」

 「玲さんだってやったじゃないですか。」


 うん。楽しそう。


 まあ私は大人しく掃除して一。


 パシャ。

 「あっ。」

 「あっ。」


 ほう。

ほうほう。


 「違うのよ渚。これは雪が。」

 「ごめんなさい。でもこれは玲さんが。」


 へぇ。そう。


 「2人とも。」

 「はい。」

 「はい。」


 「後でおしおきね。」

 「ごめんなさ-い。」

 「ごめんなさ-い。」


 これで少しは大人しくなるだろうか。


 おい楓よ。羨ましそうにこちらを見るでない。

ポーカーフェイスしてても滲み出てるぞ。


 「2人とも元気ですね。」

 「そう…。だね…。」


 あの楓さん。談笑しながら体操着から透けた下着をチラチラ見ないでくださいます。


 「楓もやる。」

 「…。やりませんよ。」


 やりたいのね。


―――


 しっかりおしおきをしての帰り道。


 あの2人のせいで下着を脱いで帰らなくては行けなくなった。


 身体が落ち着かない。


 「大丈夫ですか。」

 「大丈夫だよ。楓。」


 全然大丈夫じゃないけどね。

あといやらしい目線はやめたまえ。

捕食者の目してるぞ。


 家に帰り、私の部屋の中で楓と2人。


 当然何も起こらないはずもなく。


 「あの楓さん。」

 「なーに。渚。」


 「いつまで抱きついているのですか。」

 「さぁ。いつまででしょうか。」


 そっか〜。

はぐらかすかぁ。


 「楓はさぁ~。」

 「な〜に。」


 「いつまで私の真似をしているの。」

 「……。」


 私は突然。


 楓にベッドから押し倒された。


 「……。」

 「…。」


 楓は私に口付けをし。

私はそれを受け入れた。


 「渚との約束を守るためだよ。」

 「みんなに愛される。」

 「そう。」


 重ねて口付け。


 「それ。私の真似してでもなる必要あるの?。」

 「…っ。」


 私がこれ以上喋らないように。

口を塞ぐように。

重いキスをした。

舌まで入れて。


 「はぁ…。はぁ…。」

 「そうだよ。」


 私の腕を強く握って、解いたネクタイで拘束する。


 「私じゃ約束を守れないの。」

 「んっ…。」


 私の身体を乱暴にいじくり回す。


 「私じゃだめなの。私じゃみんなに愛されないの。」

 「っ…。」


 楓が私のブラウスを強引に開く。

衝撃でボタンが散乱して辺りに散らばる。


 「だから……。」

 「……。」


 私は今すぐ楓を抱きしめたかった。

私の胸で埋もれるこの子を。


 本当は強いのに。私の前だよであった頃の弱虫な楓に戻る。


 私が側にいるから楓は弱いままだ。


 だから私は楓の側にいちゃいけないんだ。


 「渚。ごめんね。」

 「いいよ。それよりこれ解いて。」

 「やだ。」


 即答。

本当にこの子は…。


 「だから。しばらくこのままいさせて。」

 「いいよ。楓が満足するまで私の身体使っていいから。」

 「そういうの…ズルいよ…。」


 涙が頬に滴る。

楓が泣いている。

私をこんなにぐちゃぐちゃにしてるくせに。

本人は全くその気がないんだから。


 どうやら今日の夜は寝れそうにない。

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