第8話 永続する歯車
カタナはテレポートした。本当は、これがテレポートというのかは分からないが、これしか当てはまるワードがないのだ。
場所は森から出会ったあの場所へ、時間は昼から早朝へ。クイックと放ったあの時から丸っ切り移ってしまった様だ。
しかし、カタナの頭には記憶がある。結局カタナやカリーのグループが森で出会い、なんやかんやあり、仲を取り戻した結果だ。
周りの笑顔は自然なはずだが、カタナには全く歪んだ顔に見える。吐き気の様に、存在しない筈の記憶がカタナを苛む。
しかし、カタナはこうも考えた。実際に時は早く流れ、今に至る。あのフードはきっと同じ魔女であったのだろう。ただ、ルビーたちとの関係は分からないが。
安堵する程に馬鹿馬鹿しいカリーたちの別れの挨拶を見届け、カタナは合流したカリーと一緒に次の宿への道を歩き始めた。
今は何も起きていないのだから。まだどこでも起きていないのだから。
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