第3章 仲裁

第31話 幕間

勇者になる為に勇者に会いに行く、という目的の為に旅に出る前に、クイーンスライムの元を訪れる僕とローナ。

そして戦闘になる。

ケンカになってしまった訳じゃない。

隊長いわく。

「稽古をつけてもらってこい」


クイーンスライムは腕を振り回し、巨大化した拳をこちらに打ち付けようとしながら言う。

「ほら、遠慮は要らないよぉ。クイーンの私は君の剣ぐらいじゃ切れないから存分に振るいなあ」

「やあ!」

「駄目駄目。剣に振り回されてる。体が小さいんだから力任せじゃなく小回りを利かせて踏み込みなぁ」

「とおー!」

ブニュン! と液状の体に切り込む。

言われた通りに素早く、大きく振りかぶらずに行った方が深く切れ込めた感じだ。

そのまま駆け抜ける。

距離を取るとローナが魔法を放つ。

「ファイア!」

だが躱されてしまう。

クイーンスライムは言う。

「仲間に当てないように注意しすぎて連携が途切れてるよ! 息を合わせるんだ」

「たあー!」

「ファイアー!」

 こうして僕らは特訓して貰った。


クイーンスライムは声を掛けてくれる。

「よくやったよ、これなら毎日少しづつ強くなっていくよ、頑張りなぁ」

僕らはクイーンにお礼を言う。

二人とも、少しだけレベルが上がった気がした。

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