第28話 毒性と効能

研究所へ着くとこの前の研究員が対応してくれた。


「貴方がたの言う通り、資源関連に詳しい人が原因と思われる物を特定しましたよ」

その研究員は丁寧に説明してくれる。

「スライムから採取されたのはイオウですね。これが毒性の原因かと思われます」

隊長は「やはりイオウか」と言う。

研究員は説明を続ける。


「最近の魔道研究でも研究されはじめてますが、錬金術関連では古くから書物に出てきたりする物でした。鉱山では比較的見られる物です。炭鉱などを掘っていても出てくる時があります」

ハンスは「そんな物があるのか」と呟く。


研究員の説明は付近の地形についても解説が始まる。

「山の方、王都へ流れる川の上流ですが、あの近くに昔火山があったようです。規模はかなり小さいですし災害を起しそうなも物ではありませんが、イオウはそういう地層ではよく混ざっています」

僕は「そうなんだ」と相槌を打つ。


「濃度や量にもよりますが、毒になったり、逆に体に良い効果を出したりもします。他の物質と結合したりすると毒性が増したりガスが発生する事も報告されてます。そのガス、とうか気体も水に溶けたりします。イオウ自体に匂いはありませんがガスや溶けてる水には刺激のある特有の匂いがします」

ローナは「ラルスが気付いたのはその匂いなのね」と驚いていた。

研究員は続けて解説してくれる。


「毒性としては肌が荒れたり、内臓に悪い影響が出たりします。

逆に摂取方法を工夫すると血行が良くなったりしますよ。最近の魔道分析によってイオウは温泉の中に入ってる事があるのが分かったりして有名ですね」

みんな静かに説明を聞いている。

「特色として色としては黄色をしています。黄色い石ころのような見た目という事ですね」

説明を受けた僕らはおおよその事件の全容が見え始めた。

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