第27話 リストアップ
翌日、朝食を摂ったあと、部屋で打ち合わせをする。
僕らに隊長が指示を出す。
「あのスライムの住み家の近くで作業や仕事をしてる会社や商会を調べておけ」
ハンスは質問する。
「了解しました。でもそういう調査をするって事は今回は人間が絡んでるんですか?」
「そうだ。スライムの住み家への影響を考えてるが今はリストアップだけでいい」
「分かりました、ラルス、ローナ行くぞ」
僕とローナは「うん」と返事をして町へ繰り出した。
「まずは役所でどんな商会や会社が関わってるか調べるぞ」
「うん」
そんな風な会話をしながらその建物へ。
受付の女性の人は「どのようなご用件でしょうか?」と尋ねる。
するとハンスは答える。
「王都の近くへ流れる小川の水源付近の山林の開発担当とかをしてる部署に問い合わせがしたいんだ。そして事業を請け負ってる会社などのリストが欲しい」
「分かりました。山の方の道を整備してる交通関連の部署と山林、鉱山近くで工事などをする会社の受付などをする部署で別れますのでそれぞれの部署に用意させます」
「じゃあ俺は交通関連のトコへ行く。お前らは山林開発部署でリストを用意して貰って受け取れ」
「分かったよ」
受付の人は「では、私はこちらの方に同行しますね」と僕とローナに付いてきてくれる事になった。
ハンスは一人で調べて受け取りできるだろう、そして僕らはまだ調査に不慣れであろう事を察してくれたようだ。
なのでハンスと別れ歩きながら礼を言う。
「あの、ありがとうございます」
「いえいえ、調停官の見習いさんか分かりませんが頑張って下さいね」と言われた。
優しいお姉さんで僕は嬉しくなってしまった。
こうして僕とローナは山林開発部署へ。
役所の一角に設けられた担当部署の部屋では机に座って書類仕事をする人たちが数名。
その中の一人に受付の人が事情を話し、対応を促してくれる。
すると部署の人は言う。
「ああ、分かったよ。用意するね」と書類棚を漁り出した。
僕は「すみません、よろしくお願いします」と頭を下げた。
待つことしばらく…
担当の人は箱に入った書類を持ってきた。
「これだね。少し多いけど平気かい?」
「ありがとうございます、大丈夫です」
「ここ最近で工事や開発に関わってる会社や業者のリストだ」
ローナも「お借りします。なるべく早く調査を終わらせて返しますので」と言うと担当者は「ははは、頑張ってな」と声を掛けてくれた。
こうして僕らはハンスと合流して宿屋へ戻った。
ハンスは報告する。
「リストアップの資料を受け取りました」
隊長はそれを聞き言う。
「リストの確認はあとでする。研究所から連絡があった。先に確認しに行くぞ」
こうして僕らは全員で研究所へ行く事になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます