114 アイテムボックスに拘って…その114

 何と、第0区の自衛隊(滅んだといわれている、あの!(笑))の少尉さんがやってきた!……とはいえ、甲司こうじからしたらどの程度偉い人なのか不明だが、こうして使いっ走りにされてる時点でそれ程偉い人じゃないんじゃないか?……という予想は立つ。問題なのは……甲司自身が招集状を読んで内容を把握してないってことなのだが……(苦笑)

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──えっと……行かないとダメな感じですか?──


こんこんこん……


「こちら、匣岬 甲司はこざき こうじ殿のお宅でしょうか?……自分たちは第0区自衛隊所属、浦壁少尉であります。招集状の内容に従い、匣岬 甲司はこざき こうじ殿をお迎えに上がりました」


「……俺が出ようか?」


 タナが勇ましくもそう申し出てくれるんだけど……


「いや、僕が出るよ」


 下手なことをいい出されたらどうなるかはわからない……という訳で、開錠してドアを開ける。



「えっと……」


 向こうは既に身分も名前もいってるので、「どちらさま?」は無い。ゆっくりとドアを開けて何をどういったらいいかわからずに出たのが先の第一声なんだけど……


「おお! 貴方が匣岬 甲司はこざき こうじ殿ですか? 自分は第0区自衛隊所属、浦壁少尉であります。宜しくお願いします!」


 見た感じ、若い将校って感じだ。身に着けてる衣服は黒一色にラインが入っている感じで飾り気は殆どないデザインだ……というより、このまま実践に出ても問題無いくらい……


(結構強い素材を使ってるな……)


 と感じた。腰には恐らくだけど……


(準ミスリルかな?……のサーベルと)


 恐らくだけど、右腰に付けてるのは……小型だけど大容量のアイテムボックスだ。時間軽減緩和はおざなりだけど、内容量拡張と重量軽減のバランスが取れてる調整が……


「……どの、どうしましたか?……甲司殿!」


「え?……えっと……」


 後ろで溜息を吐くタナとミナ。


「兄ちゃん、見たことないアイテムボックスを見るとそれしか目に見えないからなぁーー……」


「ほんとほんと。おたく……っていうの?」


「お……オタクちゃうし!」


 というやり取りをしていたら、くすくすと笑われた……恥ずっ!?


「取り敢えず……中へ通して欲しいのですが、大丈夫でしょうか?」


「え? あ……今、両親は出勤してて、妹も学校行っちゃってて誰も居な「何で俺らが居ないことになってんだ?」「ひどーい!」……えっと、この子らは居るんですが家族が誰も居ないので……」


 とかやってると、浦壁少尉さんの同僚かな?……の人がやってきた。


「了解を得たので大丈夫です!」


「おう、わかった!……ということで、お邪魔してもいいかな?……何、自分らが居る間はこのご自宅も安全だし?」


 下手糞なウィンクを飛ばした浦壁少尉は、コクコクと頷く僕を見て、


「じゃ、失礼します!」


 と敬礼をしてからブーツを脱いで上がるのだった……


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 無理矢理連れてかれると思ったら自宅に上がって来たでゴザル!(誰がロムやねん!(笑))

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