113 アイテムボックスに拘って…その113

 赤紙……否、招集状を寄越されてどうしよう?……と困った匣岬はこざき家。主に両親は見てはいけない招集状を開封して読んでしまってどうしようっ!?……と右往左往してるだけだが(苦笑)

 甲司こうじとしては、応じないといけないんだろうけど、行きたくないなぁ……という考えだ。何故なら、本来の目的である「アイテムボックス付与スキルの鍛錬」が自分のペースでできない可能性が高いからだ……

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──魔導車が押し寄せて来た……多くね?──


 全部が全部、国の所属……ではなく、何処どこからか漏れた情報で集まって来たハイエナ……もとい、その筋の企業の魔導車らしい。いやぁ……暇人が多いよねっ!


「……じゃあ俺は出勤するが……下手なことするなよ?」


 父さんは不穏な指示出しをしてから家を出て行った……というか、返事しないから強硬手段に出たのかなぁ? お国のとある機関? は……


「じゃ、母さんも行くけど……学校は無理そうね……学校にちゃんと連絡するのよ?」


 パートに出かける母さん。登校を強行は無理だろうと判断して出勤するけど……


(普通、一緒に家に籠ってくれないかなぁ?)


 ちなみに妹の岬子さきこはとっくに登校済みだ。「日直なんだ」っていってたけど、絶対これを見越して無茶苦茶早く出てったんだと思う……くそぉ……策士めっ!


「兄ちゃん、大丈夫か?」


「護衛、する?」


 年下のタナミナ兄妹にまで心配されたよ……orz


「あーー……まぁ……居てくれると気分的には楽なんだけどな……」


 そこまでいうと、ミナがぴとっとくっついてくる。


「じゃあ、護衛する!」


 右腕に手を回して、腕を抱くが……小学生らしく胸部装甲は育ってないので……まぁ、女の子らしく体そのものは柔らかいんだけど……


「はぁ……しょうがねぇな。俺も家に残るよ」


 タナも一緒に留守番してくれるらしい……と、その時点で玄関のドアがノックされる。


こんこんこん……


「こちら、匣岬 甲司はこざき こうじ殿のお宅でしょうか?……自分は第0区自衛隊所属、浦壁少尉であります。招集状の内容に従い、匣岬 甲司はこざき こうじ殿をお迎えに上がりました」


 …どうやら、年貢の納め時というのがやって来たらしいんだけど……僕、その招集状って読んでないんだよね……父さんが持ってっちゃったみたいだし……どうすんだよ、この始末。


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 慌ててたらしく、持ったまま出勤しちゃった模様(苦笑)

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