112 アイテムボックスに拘って…その112

 軟禁&強制労働の日々から解放され……学校を休学してた間の勉強を詰め込む日々の甲司こうじ……まぁ、自宅に戻って学校から帰ったら借りて来たノートを見て書き写し、録音された魔道具を聞いて遅れた分を追いかけてるんだけど……タナミナ兄妹のミナの方の様子がおかしい。

タナ「何か拾い食いでもしたんか?」

ミナ「失礼ねっ!」

甲司「何か変な物でも食べた?」

ミナ「コウジ兄ちゃんまで!……酷っどぉい!」

※シミュレーションであって、実際にはいってません(笑)

━━━━━━━━━━━━━━━


──お嬢様ぁ?……似合わねぇっ!(ゲラゲラゲラ)──


「お、おかえり」


「兄ちゃん、ただいま!」


「お兄様、ただいま戻りました」


 ……って、あれ? ミナってこんなお嬢様然としてたっけ?


「ミ、ミナ……何そのお嬢様みたいな挨拶? 似合わねぇっ!(ゲラゲラゲラ)」


「兄ちゃん……」


「お、おう……何だ?」


「兄ちゃんのバカッ!」


どげしっ!


 ……と向う脛を蹴ってドスドスと音を立てて家へと入って行くミナ。


「い゛っ!……痛ぇっ!」


 ぴょんぴょんと片足で跳ねてるタナ。見た感じ、ちょっと赤くなってる程度なので治療しなくてもすぐ治まるだろうとスルー。


「雉も鳴かずば撃たれまい……」


 と、捨て台詞を残して甲司はミナを追う……訳じゃないが家へと引っ込む。


「俺が何をしたぁーーっ!?」


 と、泣き叫ぶが、近所迷惑なので叫ばない方がいいぞ?(尤も、近所といっても隣家は10mくらいは離れているんだが(苦笑))



 ま、それは兎も角(笑)……再び平穏が訪れた気がした匣岬はこざき家だが……


「甲司!……お前、何したんだっ!?」


 ……と、明くる日に父親から問われるのだった。


「え?……えーーっと、いつ? 何を?」


 身に覚えのない……というよりはあり過ぎるのでどれがだろう? と思いつつ、訊き返すのだが……


「休学した頃だと思うんだが……お前、国から招集状が来てるぞっ!?」


 ……と、本人以外が封を切っちゃいけないだろう封書……が、思い切り開封されていた物を見せつけられていた。恐らくは自分宛に来たと勘違いしてのことだろうけど……


「えっと、それって本人以外が見ちゃダメな奴じゃ?」


 と突っ込むと、


「「あ゛っ!……」」


 と、夫婦揃って短く叫んで固まっていた……母さん、お前もかっ!


━━━━━━━━━━━━━━━

 赤紙じゃないけど、まぁ付与能力か、若しくはミスリル生成能力がお上にバレて招集の憂き目に遭ったんだと思われ……多分……きっと?

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