92 アイテムボックスに拘って…その92

 学校の件の作業部屋に忍び込む黒い影……だが、賊はサクっと捕まってしまった(苦笑)

 学校側は紐に絡まれて倒れている賊を捕獲し、警察を呼んで回収して貰った……甲司こうじにも連絡が行き、魔導具は問題無く動作したと安堵したのだが、捕まった賊は拷問同然の調書を取られていることだろう……南無。

※精神的に?(流石に大怪我するような体罰は表向きには禁止されてるので(警察機構に限り(苦笑))

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──それから1週間が経過……──


「あれ?……作業部屋の修繕が終わった筈なのに……また使用禁止?」


 連絡用の魔導タブレットに連絡が入っていた。詳細を見ると、再び賊が入って……警報を無視してそのまま作業部屋の出入り口を破壊して……と書かれていた。幸い、中には何も無いので盗める物は何も無いんだけど……


※更に中の倉庫……本当の作業部屋の中に搬入してたので、例え爆弾を使っても破壊不能な筈。仮に爆破、若しくはドアを破って侵入を果たせたとしても、許可した人物以外が侵入したということで、中身が消滅するようにしてあるんだけど(糧飯かてい先生のお父さんに、そうアドバイス……というか、命令されたのでそうした)←金銭的な補填はするからといわれたのでやりました……後悔はしていない!(笑)



「で?……って、今度はマジで爆弾魔が現れたのか……」


 添付された画像を見ると、一番外の塀から一直線に家庭科室まで爆弾で吹っ飛ばされてる様子が……随分と派手な……と思ったけど、爆発の影響が最小限になってる所を見ると……


「これ、プロの仕業じゃ?」


 対消滅系の魔法を封入した魔導球を使えば……影響範囲だけ黒焦げになるけど発火音は殆ど聞こえない。少なくとも1mも離れればサイレンサーを使った銃声より静かだと思う……多分。それを用いて魔導具の罠を全て突破して……まぁ、最後のあそこはそれくらいじゃ壊せないからねぇ……


※威力調整した対消滅系魔法は発動に掛かる魔力が多い割りに消滅させる範囲狭く、対象の強度がある程度あると抵抗されて無傷で残るという制限がある。逆にある程度魔力を込めると際限なく範囲が増え、設置した者を巻き込む可能性があるので使い難いというデメリットもある……ので、通常は魔法・魔術師ギルドの許可を得てから使用する類の禁呪扱い……となる


※なので、今回のトラップブレイカーとして使用された対消滅系魔法球は届け出も無く使用された訳であり、直ちに警察から魔法・魔術師ギルドにも連絡が行き……大々的な捜査が入り……折角活動再開……と思ったら、再開前に活動停止がいい渡されたっていう……(苦笑)



「……で、捜査の進展はあったのかなぁ?」


 家庭科室での活動どころか、学校生活そのものも停学……というか、学校閉鎖状態で1週間くらいは必要が無い限りは外出しない……という、謹慎状態が続いていた。勿論、匣岬はこざき家では甲司だけであり、岬子さきこや両親は対象外だ。タナミナ兄妹も自由に動ける為、必要な連絡や買い物はモノに依って頼れる人を選んで頼んでいた。


 そして、糧飯かてい先生からの連絡が入る……


『犯人そのものじゃないけど……犯人グループらしきモノが朧気だけどわかったわ……』


 えぇーー? 何かとんでもなく面倒臭いんだけど……


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 裏の……いや、闇の世界の臭いがプンプンと……戦闘能力が無い甲司にはちょおっと荷が重いですね?(苦笑)

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