87 アイテムボックスに拘って…その87
学校の家庭科室に甲司の作業部屋が設置された。4畳半の面積だが中身は3畳の作業部屋と、1畳半の倉庫兼用の収容倍率50倍の作業部屋がある。
現状は甲司のみ入室可能な倉庫兼用の空間(通常空間の3畳の作業部屋は一応誰でも入退室可能)だが、登校して部活動をしてる間は
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──準ミスリル量産準備!──
自宅のコンテナハウスで試作した魔力浸透ボックスを改良し、小さい宝石箱サイズからインゴットを丸々納められるサイズの物を試作してみた。魔石を入れるボックス部分も大型化し、準ミスリルインゴット1本を1度で生成できるように調整した。
「名前も、これじゃ何を目的にしてるのかわかり難いよな……」
ってことで、ド直球で「準ミスリルインゴット生成ボックス」……長いな。まぁ略称はその内考えるってことで……ちなみに、汎用ミスリルとも似非ミスリルともいわれてる「MPHS」も浸透させる魔力の比率と時間を調整することで生成は可能だ。一応、そちらも浸透させる魔力比率と時間も機密とされてたんだけど、MPHSそのものは取り寄せで買えるのでそれを解析して調べたって訳。後はその計測値を元に魔力浸透値と時間を調整しながら生成できたミスリルを調査すれば、いつかは一致する訳だ。
最後にスイッチ1つで準と似非の切り替えをすればいいって訳で……まぁ、外向けに販売する為じゃないけどね!
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「甲司くん」
「あ、はい先生。何でしょう?」
「例の作業部屋の調子はどう?」
まぁ、気にはなるか……と正直に答えておいた。
「取り敢えず、中の倉庫は内容量拡張を掛けておきました」
「ふぅん……何倍で?」
「50倍です。中に物を入れ過ぎると過重で床が抜けるかもですから、重量軽減は-90%にしてあります」
「なるほど……わかったわ」
という訳で、一応使用目的も一度は説明したけど、もう一度説明した。
「アイテムボックス付与の素材でミスリルを使いたいと思って、似非と準のミスリルを作ろうと思います」
……と。
これで、クソ高い準ミスリルを購入する必要も無くなるし、汎用的な似非ミスリルなら純銀の量も質も落として大丈夫だし、コストも下げられるなと……
「なら、量産できるようになったら教えて? 多分、お父様から何か依頼があると思うから」
と返され、甲司は
(えええ……まぁた七面倒な依頼が来なきゃいいけど……)
……と、頭を抱えるのだった……ドンマイ!
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量産が確定された段階でブラックな香りがする依頼が舞い込むのかっ!?……甲司、危うし!?(笑)
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