83 アイテムボックスに拘って… その83

 朝食の用意をした後、自分の分を食べて食器を片付けた後……遅く起きてきた家族を放置して自分は作業場……コンテナハウスに引き籠る。そしてドアを開けた瞬間、外に漏れ出た波動が……純ミスリルを探し求めていた者たちに感付かれるのは当然の帰結だろう……

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──高空から獲物を探す猛禽の如く……──


「……!?」


「感在り!」


「あっちだ、急ぐぞ!」


 魔導車が一斉にUターンをかますか、道を曲がって行く……。そして幹線道路から細い道へと我先にと魔導車が集まってくるが……


「狭い道なんだから割り込むな!」


「そちらこそ!」


「俺たちが1番に来たんだ、道を譲れ!」


 ……等々、がなりながらクラクションが鳴り響く。はっきりいって迷惑以外の何者でもないが……魔導車は昔の外国産の自動車並みに大きい。キャディラックなんかを想像するとわかり易いだろうか? それが幹線道路より細い支道に入り込むのだ……仮に同じ大きさの魔導車がすれ違おうものなら車体がこする傷付く引っ掛かるは勿論、動けなくなるのが当然となる。尤も、一方通行の道ではすれ違うことなどは起きない……この時代、一方通行を守る運転者も珍しいのだが……


 そんなこんなで運転手たちが睨み合う中、通報を受けた警察が出動する騒ぎとなり、また探索者ギルドにも通報がされて甲司の住む近所の狭い道は、魔導車が動けずに局所的混雑で翌朝ニュースとなっていた。


※TVなぞ無いので、瓦版になって町内会掲示板に貼られて噂話になってるくらいだがw(結局、魔導車が狭い路地で動けなくなって警察沙汰になった……くらいの情報しか書かれてなかった。本人たちの名前や何処所属の運転手かなどは規制されて伏せられていた)



 ……とまぁ、警察やギルドに連行された魔導車に乗っていた者たちは警告を受け、元の所属区に渋々帰って行った……。だが、先の反応を探査装置で確認していた為、より正確な位置を彼らは把握した。


「「「次こそは……純ミスリルを我らの物に!」」」


 という、意気を込めて……


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 狭い路地に入るにはでっかい魔導車じゃ無理がある……と気付き、公共交通機関を使って来るかも知れず。電車やバスなんぞ走ってませんが……あるんですよ。少々お高いですが、路面魔導車というモノが……

※レールを引いた場所に沿って走る路面電車と同じ奴で電気が希少なので魔石と魔導モーターで動く路面魔導車。昔の生き残っている路線と道路上に延長して敷かれているレールを用いて運行している……が、1時間に1本くらいしか走ってない上に、切符がそこそこいい値段なので利用するのは長距離を移動する人にしか利用されていない(国営です)

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