82 アイテムボックスに拘って… その82

 純ミスリルが何十年振りにかで、現世に反応が生まれ……第1から第3区に所属する研究機関は騒然とした。何処どこの機関が遂に成功したのかっ!?……と、お互いの出方を待つが発表は無い。では、別の機関か?……と思うが第0区のそれはは……より上位のオリハルコンなど、最上級秘匿物質の研究をしている筈。

 では、何処か別の一般層の研究機関が?……と、アンテナを伸ばし始める。そして1つのミスリル研究機関が区の単位ではあるが反応の出元を突き止める。それは……

━━━━━━━━━━━━━━━


──世間が騒がしいようだけど……──


「ふわぁー……眠い」


 大あくびをしてから一言。少しだけ早起きをした甲司こうじは二度寝しようとしたが、そろそろ起きる時間を登校に合わせたリズムに戻さないとな……ということで寝るのを我慢して起きていることにした。


 甲司の家は大通りから結構引っ込んだ位置にある為に気付いてなかったが……、大通りには珍しい魔導車がひっきりなしに行き来しており、道歩く人たちから「何だ何だ?」と目を惹いていた。警察車両ではない、内地第1から第3区の高級車両は第5区でも稀に見ることはあるがこれだけの頻度で見ることは珍しいからだ……



 両親は今日は早くから仕事に出ている。依って、朝食の用意は甲司が担当となっている。


「うーん……まぁいつもの手抜き料理になるけど食材を買って来ないと無いし仕方ないか……」


 ……と、パンを少し焼いて軽く焦げ付きにしてパリパリにしてジャムを塗って2枚折りにする。パンはこの時代でも何とか供給されている。何処ぞの工場に小麦を供給している農場があって、工場で粉砕されて小麦粉にされて加工してるんだとか……加工機械は全て魔導具で、魔力を供給すれば動くとか。


(電気が貴重品になってるからなぁ……)


 雷魔法もあるけど安定した電力を供給するには難しい、らしい。昔、稲妻などの落雷から安定した電力供給ができなかったって話しがあるけど、それに似てるんだろう。魔法で発生する雷は一瞬の大電力はあるんだけど、低電力を長期間に渡って供給なんかは……


(人の身じゃ無理だろうなぁ……)


 ジョギングのペースでずーっと走って地球を何周もするくらいには無理がある……と、例えが極端だけどそれに通じてると思う。人間は長距離走に耐えるスタミナがあるけど、ずっとは無理だから……なんて考えてたら付け合わせのおかずも焼けた。


 保存食の塩漬け肉をお湯でゆすいで塩辛いのを取り除いて細切れに切って食べ易くして、そのままだと味気ないので少し塩胡椒こしょうを足して味を整えて……濯いで塩辛成分を溶かしたお湯に出汁だしを足して味を調えてスープにして……勿論、ちょっと飲んでから調整はしたよ?


 後はプランターで育ててた野菜を洗って塩をちょっと振って生野菜サラダとして出した。何かって?……その正体はレタスだ。冬でも育つ野菜で食べられたらいーなーと思って種を譲って貰って育ててみた。


 他にもあるんだけどいっぺんに育てる場所も無いし……プランターもそんなに大きくないし。でも、まぁ……そこそこ育ってくれてここんとこ毎日収穫して食べてるよ。日当たりだとか気温だとか気を付けてればいいとわかったので、日当たりは兎も角気温や土の状況に関しては調整はできると思う。


 他にも種を集めて色々育ててみようかな?


━━━━━━━━━━━━━━━

 家庭菜園ラノベにする予定はありませんw

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る