81 アイテムボックスに拘って… その81
偶然にも純ミスリルを作ってしまった
※似非ミスリルとは、純銀より魔力伝導率が高く……鋼鉄より硬度・耐久値は高いが、準ミスリルに比べると劣る魔法金属。それでも精製技術が高い工房で作られた似非ミスリルは量産可能な聖銀……という意味を込め、「MPHS」と呼んでいるらしい。「マスプロダクション・ホーリー・シルバー」……の頭文字を取って略称にしてるが、所詮は3番煎じ……(純ミスリル>>準ミスリル>>>似非ミスリルくらいの順位)
敗因としては……最初からインゴットサイズのミスリルを作り出そうと大きい装置を用意していた割には薄い魔力で浸透しようとしていたことだろう。甲司の試作した魔力浸透装置に対し、投入した屑魔石は明らかに過剰と思われていたのだが、これが純ミスリルを作り出すのに必要な濃度の魔力を発生させるとは……世の誰にもわからなかったのだ……(未公開なのでわかる筈も無しw)
━━━━━━━━━━━━━━━
──ミスリル研究機関の研究員、驚く!──
ぴがーーーーーーっ!
「……なっ!?」
初めて聞く警報音……否、何十年前にか聞いたことがある、それは……
「純ミスリルの波動を検知っ!?」
だが、すぐそれは収まる。
「何処からだっ!?……検知した場所を特定!」
「……無理だ。せめて後数分は欲しかった……」
「だがっ!……第何区かはわかるだろうっ!?」
「それくらいなら……」
記録されているデータから逆算された発信位置をマップデータとリンクさせて表示させる。魔法文明と旧科学文明の融合した装置を用いた結果……純ミスリルの発生しただろう
「第5区だ……急げ!……純ミスリルは我らの物だっ!」
第1区のミスリル研究機関の実行部隊に伝令が伝えられ……数台の魔導車に乗って出撃して行く。
・
・
(第1区の連中がミスリルを嗅ぎ付けたようだ)
(我らも行くぞ)
静かに、見張っていた者たちが動き出す。彼らは第2区の諜報部隊。そしてその後方では第3区の陰で動く部隊の者たちが次々と動き出す……この世界にもたらされた純ミスリルは第0区の日本国の神の座に座す存在に献上されて以来、未発見のままだった……研究の結果、似非ミスリルは何とか量産に成功した。……だが、ミスリルに近い準ミスリルは数十年に1回生成に成功するだけで品質は兎も角、量が確保できない。……つまり、今までに多くて2回生成に成功しただけでその量は多くて数十kg程度……。そこから製造できたのは1組の鎧と2振りの武器だけという体たらく。そちらも国宝扱いで献上せざるを得なかった……依って、世間に流通しているミスリル製の武具は似非ミスリルであり、それでも通常武具に比べれば魔力の籠る量も質も格段に差があり、魔物に対して常にアドバンテージを得ることができる……。要は、
「強い!」
……ということだ。使う者の魔力に左右されることはあるが、それでもダンジョン浅層であれば無敵だ。そして……そんなトンデモな魔法金属を生み出してしまった甲司は…まだそのことをまだ知らずにいた。
━━━━━━━━━━━━━━━
次話、近くを捜索するミスリル研究機関の者たち……だが、箱を閉じた&コンテナハウスのドアを閉じたままでは検知することはできず……
諜報部隊「純ミスリルは何処だぁー!?」
知らんがな……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます