79 アイテムボックスに拘って… その79
ミスリルとはいわずとも、準ミスリルが造れないかなぁと思って始めた実験。僅か3日目の夕方には83%までミスリルの魔力浸透率をマーク……今日、タナミナ兄妹が持って来た屑魔石は選定が終わってないので残りは明日だな……と思い、選定済みの屑魔石の残りを放り込んで一晩放置することに。翌朝には何かしら変化が起きてると思いつつ屑魔石を選定してから寝ることにした
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──朝日より眩しい光。それは……──
「んん……何か眩しいような……?」
朝日にしちゃ眩しい光。このコンテナハウスには窓なんぞ無く、出入口の戸を閉めたら外の光も入って来ない。いや、曇りガラスはあるから入って来ない訳じゃないが冬の弱い太陽光はかなり減衰する筈なんだけど……
「……んん?」
僅かに目を開けると、太陽光というか白い銀光?
「まさか……」
つい寝転んでいた大きめのソファから急いで起き上がり、作業机の上に放置していた箱を……魔力浸透箱を見る。
「……っていうか、ミスリルになってたとしても……中の光は漏れない筈なんだけど……」
取り敢えず左の表示板を見る。
「……残魔石個数、ゼロ……」
上段のカウンターは0を指し示していた。
「……魔力浸透率……ひゃ……
訳がわからん。そして、念の為に右のスイッチを押して動作停止させる。蓋の中の魔石の個数はゼロなので、稼働停止してる筈だけど……
※魔石に内包しているの魔力を動力としているので、理論的には魔力を失えば停止する
「んじゃ、いざ開封っと……」
右手で蓋部分を掴み、左手で下の部分を抑える。そして、そっと持ち上げる。魔力浸透稼働中なら蓋は内側から固定されてるので余程強く引っ張らなければ開かない……が、今は止まっているので普通に開く筈だ……そして。
きぃ……
軽く抵抗を感じながら開かれていく箱の蓋。中から魔力が通ってないのに光が溢れてくる。最初に起こされた時程には明るくはないが……
(つか、あの光って一体……?)
そして完全に開かれた蓋の……箱の中身を目の当たりにした甲司は……
「綺麗、だな……」
と一言、呟いたのだった……
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無論、相手は唯の魔法金属なので照れて赤くなったりはしませんw
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