70 アイテムボックスに拘って… その70
庭に設置したコンテナハウスの作業場……それは内部が見掛けの10倍の広さを持ち、中に入れた物は半分の重さになり、経過時間が10%緩和するアイテムボックス付与されているのだった……ちなみに、中に入って作業することはできるが中で1kgの物を持っても500gになることはないw(あくまでコンテナハウスの重量が内容物と併せて半分になるだけだ←庭にめり込んで撤去が難しくなるのを防ぐ為の処置)
そんな専用の作業場に入って
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──さてっと……一体何が届いたんだろうね?っと……──
「これって……鉛……じゃないよな」
ベルトポーチのアイテムボックスから箱を取り出した。誤って1cm程の高さから落として
ずどんっ!
って音が……いや、大袈裟でもなんでもなく……ね。流石に重量物といっても生身の成人男性が持てた重さだから、トン単位じゃなくて10kg単位だと思うけど……。流石に解析スキルでは重さは表示されない。表は木箱だけど中身は違う物だろうし……
「ほっ……、床にメリ込んでは無いみたいだ」
良かったと思いつつ、持ち上げようと思ったが無理。下手をすると中学生の身でぎっくり腰になりかねない……
(あの人、運送ギルドらしく剛力スキルとか持ってんのかもなぁ……)
剛力スキルとは、その名の通り……筋力がかなりの割合で上昇するというもの。スキルレベルに依り、基礎ステータスの筋力を割合で強化する。但し、体力とか耐久値は上昇しないので気を付けないと筋繊維を傷付ける可能性もある。無茶をすると大怪我をするので慣熟が必要になる諸刃の剣となる……と聞いたことがある。尤も、生まれた時から身に付いてるスキルの場合は鍛えていく過程で補佐をするスキルが身に付くのだけど大して体を鍛えて無いのに生えてしまった場合は注意しないと……ということらしい。
「まぁいっか」
取り敢えず……アイテムボックスに再度収納し、作業机の上に取り出す。
どんっ!
「うは……やっぱ重そうな音」
そして木箱を釘抜きを使って開けていく……
ぐぎぎ……きぃ……、ぐぎぎ……きぃ……
幾つかの釘を引き抜き、最後の釘を引き抜いてから板を取り出す。中から出てきたのは……
「緩衝材かぁ……」
緩衝材に包まれたブツが見えてる範囲で10個程。1個づつ取り出して脇に避け、その下にも同じ大きさの緩衝材に包まれたブツが10個……
「全部で30個かぁ……」
全部取り出して軽くなったけど、ブツ30個を収納していた木箱を一旦ベルトポーチに仕舞い、コンテナハウス内に
亜空間収納タイプは生き物を入れられない代わりに整理を考えなくていい訳だ。手を入れた途端にリストとして脳裏に浮かんで選択するとそれを掴めたり、口を開けて何を取り出したいか思い浮かべると取り出せたりとか……多少取り出し方に違いはあるってことだ(付与する時に具体的に考えてればその方法になるっぽい)
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「うーん……手紙が入ってたけど……これ全部にぃ?」
緩衝材から中身を取り出すとそれは使い捨てのアイテムボックスだったみたいで……。30個中、10個は女性用のベルト付きハンドバッグ(革製)だった。
メイン収納部分は留め金が付いている
(んー……5倍だと下手するとダメになりそうだけど……)
試しに1つだけ内容量拡張5倍、重量軽減50%で付与してみる。これでダメなら付与は1つだけにしてみようと考えていたけど、何とか成功した。まとめてダメにした場合を考えて、時間を掛けて1つづつ丁寧に付与していく……
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「はぁ……疲れた」
思ったより時間が掛かった気がしたけど入り口から外……自宅の壁に掛けてある時計を見ると、寝るまでに2時間くらいは時間はあった。
「……次はっと……」
2段目の緩衝材をバラしていく……
「今度は男性用のショルダーバッグか……」
同じく使い捨てのアイテムボックスで、緩衝材の大きさにそぐわない大きさのバッグが出てくる。いや、女性用のベルト付きハンドバッグも緩衝材の大きさに比べると大きいんだけどね……
「同じく最大10倍か。この大きさで重量軽減が無いと肩に食い込むよねぇ……」
同じく革製なので同じ5倍+50%でイケルんじゃないかと最初の1つに付与をする。
「……成功っと」
唯、水10リットルくらい入りそうな容量なので水50リットル……つまり50kgとなる。
重量半減なので25kgだから肩で担ぐには少々重そうだけど……
「大人の冒険者なら剛力とか持ってることも多いしイケルかな?」
冒険者は両腕は空けておいた方がいいので利用者は違う職種かも知れない……
「注文は10倍だったけど……重量軽減付けたから勘弁して貰えるかな?」
まぁ最低限5倍と書いてたので容赦してくれるだろうとラスト10個を開けてみる。
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「……マジ?」
近年、ほぼ見られない代物が出てきた……
「アタッシュケースって……」
いやいやいや……サラリーマンが姿を消して何年経ってるって思うねん!……と、脳内で突っ込む甲司。もう夜も近いし大声で騒ぐと近所迷惑だから(近所っていう程、密集してないけど)
大きさも重さも革製のハンドバッグとショルダーバッグより重い。何しろ金属製のそいつは……中学生で筋力も背丈も平均な僕が持ってみると……ギリ地面に付かないくらい。フラつくし、歩くのもちょっと大変なくらい重い。どんだけ重量あるねん!……と文句をいっても始まらないけど、全金属製のアタッシュケースは重い分頑丈そうだ。
「タナなら……あ、あいつ背が低いから引き
僕よりは力ありそうだけどな……物理的に使うのは難しいかも。ちなみに重量物の
「んで、こいつの付与条件は……」
可能なら10倍。重量軽減50%で……最低でも5倍だった。
「あー……今までと同じね……同じ……ハァ」
残り時間、ゆっくりと時間を掛け、丁寧に付与していく甲司だった……アハハ。
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途中で魔力不足に陥って作業机に突っ伏して寝て、朝起きたら
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