69 アイテムボックスに拘って… その69
運送ギルドに不在配達票を持ってって配達物を受け取る
「あれがあれば、俺も実績を積むのが容易になるんじゃないか?」
と……
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──流石に仕事を抜けて後を付ける訳にもいかないらしい……──
「……ふむ。
送付状の店控えを見て呟く。そして住所の控えを取る。
「……おい」
「ひっ!?」
気配も無しに背後からいきなり声を掛けられ、
びっくぅっ!?
と肩が跳ね上がる男。
「な……ななな、なんでしょうか?……ギギギ、ギルド長ォっ?」
「声が裏返ってるぞ?……なんぞ悪だくみでもしてたか?」
「いいい、いえいえ、そそそ、そんなことはっ!」
「だから……どもりまくってるぞ?……さぞ、悪いことを考えてると白状してるも同然だ……」
がしぃっ!
運送ギルドのギルド長が新人の両肩を掴む。
「痛ぅっ!?」
「さ……こっち来い」
「どどどど、どこに、ですかァっ!?」
「倉庫に溜ってる荷物の整理を頼もうと思う。なぁに……そろそろやらなきゃと思ってたんでな?」
「い、今からっすかァっ!?」
「……暇だろ?……顧客の個人情報を控えるくらいにはな……」
ジロリ、と睨まれる新人。
(や……やべぇっ!……バレてるぅぅぅっ!!!)
そして、その日から新人ギルド員はお早うからお休みまで……ギルドの倉庫の整理を監視付きでやらされ、1週間後には隙を見て脱走するのだが……それはまた別の話。
・
・
「ふぅ……何か変な悪寒が走ったけど……風邪引いたんじゃないよなぁ?」
背筋が
ゾゾゾっ……!
と来たけど暫くしたらそれも収まった。何だったんだろうね……あれ? 考えてもしょうがないから取り敢えず横に放っぽった。
「さて、それよかこれだな……」
不在時に送られて来た荷物の中身だ。重かったのでアイテムボックスに収納して持って来たんだけど……。あの重さだと自室だと床がやべぇことになりそうだったので作業部屋に出すことにした。いや……父さんに月一で任されてる仕事の内容を打ち明けてね……庭にコンテナハウスを建てて貰ったんだ。
その為の費用は僕が出した。その代わり……今月分の収入はそれで吹き飛んだけどね……まぁ、しょーがない。必要経費ってことで……
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ちなみに、コンテナハウスはこんな内容の付与を掛けた。
◎内容量拡大(10倍)
◎重量軽減(50%)
◎時間経過緩和(10%)
流石にこれ以上は無理だったけど部屋にあった諸々の荷物をまとめてぶち込んでスッキリした。時間経過緩和10%のお陰で、中での作業時間を多めに取れるようになった。要は1日24時間コンテナの中で過ごしても、外では21.6時間しか経過してないこととなる(2.4時間短縮)……流石にそこまで長々と作業するつもりはないけど、例えば朝飯を摂った後に9時から11時まで作業時間に充て、昼飯の準備から食器片付けをして13時から16時まで作業し、夕飯の準備から食器片付けをして18時から22時まで作業する……とやると、午前2時間+午後7時間=9時間しか作業時間を取れないけど、コンテナハウスでは10%増しで午前2.2時間+午後7.7時間と0.9時間=54分多く取れることとなる。
※このルーティーンで作業してると、毎日54分づつ……凡そ1時間弱、周囲より年を多く取るってことになるがっ!w(1週間で378分(6.3時間=6時間18分)。1箇月を30日と仮定して1,620分(27時間=1日と3時間)。1年365日として19,710分(328.5時間=13日と16時間半)……という期間、余分に年を取ることとなる……多いと見るか、少ないと見るかは……10年入りっぱなしだと約3,285時間=136日21時間……凡そ半年弱余分に年を取るって結果だけど、流石にそれは無いない……(苦笑))
※ちなみに、元々の大きさが人間より大きな物や建物の場合は「中に生物が入れる仕様」で「入り口が大きく取られている」前提となる(袋状の場合はその口が伸ばさずともすっぽり入る大きさ。但し、入る時に抵抗されたり拒絶する場合は入らない(入れない))
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