67 アイテムボックスに拘って… その67
閑話みたいな給水タンクならず、貯水浄化機構付き水タンクのお話しだが後日談はある……。最近水を買ってくれないと不審に思った水魔法使いの話から付近の住民が動いたのだ。実は、空気中から水蒸気をかき集めて水を微量だが生産する魔導具を造ることに成功し、
コージ「それってアナタたちの意見であって、僕ん家には関係無いですよね?」
と論破されるのであった……そもそも、この魔導具で儲けようとか考えてなかった甲司。
「雉も鳴かずば撃たれまい……」
とは大昔の偉い人の言葉だったか……。そんな便利な魔導具の存在に気付いた奥様方の圧力に屈し、甲司は渋々造ることを承諾。駄菓子菓子、
※大体10年維持できる魔石で原価で1つ100万円くらい。結果的に1箇月に1個しか買えないので造るのに1箇月掛かる。そして完成品は鑑定先生曰く「300万円」くらいするのでそのまま伝えると、買えるのは数軒くらいのお宅しか購入できいとわかり、残りはすごすごと引き下がった模様(年収以上になるなら、今まで通り水を買った方がいいという結果になったそうだ)
※安い魔石で済ませればいいって?……米粒くらいでも10万円くらいするし、そんなちっこいのだと1週間くらいで使い切っちゃいますよ?……というと、「コスパ悪過ぎ!」となった(災害時とか緊急時には便利なんだけどね)
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──生活に密接な魔導具?……まぁ考えてみるけど量産はしないよ?──
いや、とある(親が)休みの日に
「便利な魔導具って無いか?」
……と訊かれたんだけどね。だから逆に、
「困ってることってあるの?」
って訊き返したら、
「あー……俺も最近腰が痛くてなぁ……」
と、腰痛をして痛いんだぞ?……ってアピールしてきた。だから、
「じゃあ、今度湿布でもプレゼントしようか?」
っていったら怒られた。
「そんなシップ臭いと会社の部下に評判悪くなるわっ!」
ってね……いや痛いんだったら臭くても鎮痛剤入りの湿布した方がいいんじゃね? といっても流石に魔導具で鎮痛剤の代わりをするものはない。それ相応のお金は掛かるけど、行く所に行けば回復魔法を処方してくれるけどね? それでも根治はしないし、痛みが抑えられる期間を過ぎると再発するっていう……。一度痛くない経験をすると何度も通って高額のお布施を払ってくるとか……。まるで詐欺みたいだけど、そーゆーもんなんだって……
回復魔法の使い手には高めの治療費を要求する者も存在する。治療費は最低限幾らという指標も無いので余り高額設定しなければ警察も手を出せなくて困っているらしい……
まぁ……そーゆー悪人は別として、腰痛を微妙に回復治療させて最終的に根治できるって魔導具を創ればいいのかな?
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「甲司、これは?」
「んーと、痛みを抑える魔導具。腰の方に付けるんだけど……手伝うから試してみて?」
見た目は腰の後ろに巻くコルセットみたいな感じ。腰の後ろだけを保護帯で覆って、お腹の方は大き目のベルトで締める。マジックテープ同等品で固定するんで、お腹が出っ張ってても調整はできる。動力源は本人の魔力。自然に漏れている漏洩魔力を動力にしてるので本人に負担は無い。
つまり……本人が魔力を保持してれば魔法を使えなくても問題は無し。今のご時世、全く魔力を持ってない人間は居ない……流石に魔力無しと診断された未成年は漏洩魔力も少ないと思うので使用は禁止。ま、魔力不足で動作しないと思うけど……父さんくらいの年齢(37歳くらい)なら問題は無い。本人には魔法を使える程の魔力は無いけどね。母さんはいってないけど魔法を使えるって聞いた覚えがある。僕はその力を引き継いでるのかもね……
・
・
「これで……善しっと」
「すまんな。あぁ、服は自分で着れるから」
念の為、上着は脱いで貰い下もズボンを脱いで貰った。その上でハーフコルセットのような容貌のそれを下着の上からセットした。
※地肌の上からでも構わないけど汗を掻くと効き目が過剰になりそうだったので
「ベルトを前に……」
「あぁ、それはこちらで調整するよ」
「あ、うん……」
背中からハーフコルセットを押さえ付けてベルトの固定を待つ。
「もういいぞ」
「うん」
Yシャツを着てズボンも履き、最後にジャケットを羽織って準備完了。このご時世、ネクタイなんて作る工場も無いのでそれは省略している。人に依ってはジャケットすらも着れないなんて人も居るくらいだけどね……
(そいや
執事らしいおじさんも完全パリパリだった記憶がある。
(流石、大金持ちは違うなぁ……)
って感じではあった。
「じゃ、帰ったら感想を伝える……で、いいか?」
「うん、それ試作品だし、もしおかしいなって思ったらすぐ脱いでね?」
「お、おう……」
「試験動作確認はしてないのか……」とか、
「俺はモルモットかよ……」とか、
文句をいいつつ父さんは出掛けていった。
「そんなに高出力じゃないから大丈夫だと思うけど……」
(そんな言葉を小さく呟いても、父親に届くことはないのに……)
と、影から見ていたタナミナ兄妹は思ったというw
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朝食前だったのでまだ家に居たっていうw
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