　ナイフを売れって札束の暴力で地面に置いたら盗まれたっていう……

「世の中、アホは居る所に居るもんなんだなぁー」

　金持ちのアホはどういう教育してんだろうなぁ……と、思わないでもない。

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──ダンジョンに潜れるようになるまで後１年少々かぁ……──

　別に毎週カウントダウンしてる訳じゃないけども。実は地軸が少し傾いてるとか……後、自転も多少不安定。そんな我らが地球号は公転もやや不安定らしくて、異変が起きた時を起点に季節の巡りも１日の長さも不安定に。……お陰で作物はなかなか安定して育たないし、様々なインフラが死滅したってね……幸い、水だけは何とかなってるけど。それでも天然水は供給がやや不安定なので飲料水は魔法使いの造った水しか飲めない。料理にも人造の魔法で造った水しか使えないという訳だ。

　それでも時々には雨も降る訳で……。各家庭で水タンクを用意して溜め込んでおり、トイレ用水として利用している訳だ。流石に全ての家庭で浄水設備がある訳じゃないし、ましてや浄化設備だってそんなスキル持ちを常備してる訳じゃない。

　うち？……最近金属加工スキルが生えたので……古ぼけてきた水タンクを鉄インゴットを加えて新品同様にしてから給水口に粗目の布を漉し布として詰めて漉し布に浄化の付与を行った。布の浄化スキルを付与した訳だけど……付け焼刃だからいつ解除されるかは不明。まぁ、お試しってのと、いつまで維持するかテストってことでね。お陰様で家族には喜ばれたよ……

「これで雨水を飲料水として使えるよ！」

　ってね。やっぱし、魔法で造った飲料水って人に依って味がまちまちだし……。高いんだよね……瓶１つ（瓶込み200ml）で200円とかするし容器を持ってっても木製のタンク１つ（凡そ10リットル）で9800円だ。容器こちら持ちで瓶１つ分割安なのはわかるけど……高い物は高い。

　そこでトイレくらいにしか使えなかった水タンクの水だ。屋根の一部に設えた旧型タンクは大体200リットルくらい入る物で、雨水収集の雨どいもそれ程大きくないので一雨（ひとあめ）来たくらいじゃ半分溜るかどうかだった。

　現在の新型タンクは……屋根全体に跨ぐようにタンクを設置して、雨はその全体で受け止めるようにできている。第１段階のフィルターは雨を受け取る部分に敷いてあって大きなゴミを除去。雨が晴れたら上に乗っているゴミは時々フィルターが跳ねて吹き飛ばすようにしている（どーせ燐家は遠いので周囲の庭……に見える空き地に落ちるだけだし）中に浸透した雨水は幾つかのフィルターを通してろ過され……２箇所の水路を通って１つは台所の外にある大型タンクに溜められる。

　もう１つはトイレ用のタンクに（２階と１階とで別れ貯水される）台所の飲料水用として、最終的に先に書いた漉（こ）し布で浄化処置されて飲料水となる訳だ。尚、貯水で使う雨水タンクと水タンクは「内容量拡張」と「重量軽減」を付与してあり、見た目より多い水が溜められるようになっている。

　通常は使用者の意思を通じて収納・取り出しをするが……収納は流れて来た雨水、或いはろ過水を上限まで。取り出しは繋がっている先の蛇口を捻る……或いはコックを引くなどの機械的な変化に連動し、「取り出す」という動作をするように工夫した。勿論、逆の変化……捻るを戻す、引いたコックを戻すで「取り出す」動作を停止するようにした。そんな特殊付与をした雨水タンクと水タンクの素材は鉄だ。

　水が触れ続ければいずれは錆びてしまう……だからこそ、防錆（ぼうさび）の為にこんな付与も行った。

「耐久値最大付与……これで普通は数年で錆びる鉄製のタンクでも長持ちするだろ！」

　耐久値は薄い鉄製の水タンクはせいぜい15年ももてば上々だろう。だが……甲司（こうじ）の加工・付与した鉄製水タンクは3倍は堅い……と思われる。

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　推定45年保つ鉄製水タンク。実は魔力付与されていれば錆び難いという特性を知らなかった為……定期的に魔力充填する際に「全然錆びてる気がしない……」と思ったとか何とかｗ

　実際に壊れたのは超特大の落雷があり、物理的圧力と熱量に負けて家が丸毎災害に遭った時だったとか……って何年後だYO！(苦笑)