63 アイテムボックスに拘って… その63
武器……中学生になる前の体格……2人共小さいんだよな。僕より小柄な兄妹でも扱える武器といえば……矢張りナイフくらいしか思いつかない。軽くて俊敏さを失わない唯一の武器だ。他には小さな弓なんかもあるけど……予備の武器として用意しておいてもいいかも?
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──8日目 その2──
まずはナイフを作ろうと思う。護身用ってことで、刃渡りは柄から刃先まで10cmくらいで。鉄製にしようかと思ったけど重いだろうし鋼鉄にしよう。これなら多少薄くても頑丈さは変わらないし……いや、頑丈と軽量化を付与すれば鉄でもいいか……
問題は2つ付与できるかだけど……小さな魔石を嵌め込めば可能か? まずはナイフの形に近い形に鉄屑を変形させて大体の形を整える。
「次は……」
柄となる部分を木屑を集めて固めて整える。
「合わせてっと……」
柄の中にナイフの柄部分を納めて固める。
「ナイフと柄を一体化っと……」
融合させて穴を開ける。魔石の粒をそこに嵌め込む。これは以前必要かなと思って、「あったらでいいから」とタナミナに要望を出していた時の余りだ。
「ナイフの刃を研いで……っと」
刃の部分を鋭く研ぐ。ヤスリを使って研ぐのではなく、スキルを使って鋭くしていく……
「あいつら武器の扱いに慣れてなさそうだし、壊れないように刀身は分厚い方がいいかな……」
取り敢えず、峰部分の厚さは4ミリから5ミリくらいで。
刀身は8cmくらい。柄も入れると13cmくらい。予定より少し長くなった。子供の手でも握れるように、柄の幅は短めで1cmくらい、厚さは5ミリくらいだ。
「うーん……本人が居れば握り具合を教えて貰えるんだけど……まぁこんなもんかな?」
後は鞘を作る……革で作って内側に浄化の付与を行う。そんな効果のある布を縫い付けておくだけだけど……
「最後の仕上げっと……」
刀身の魔石に頑丈の付与をし、柄の魔石には軽量化の付与を行う。
「……うん、定着したな」
ぴゅっ……ぴゅっ……ぴっ!
素早く振る……問題は無いようだ。試しに木材を取り出し、試し切りする。
シャシャシャッ……
勿論ちゃんと斬り付けてみたし、斬り付けた所はナイフの削った跡ができている。
「音が変だな……まぁちゃんと斬れてるみたいだからいっか……」
ナイフで試し斬りした訳だがもう少し音がしそうなものだ。唯、少し厚めの刃傷はできてるし問題は無いだろう……。タナの分はできた。後はミナのナイフも作り、そのままでは危険なので木製の化粧箱を用意して中に納める。
「はぁ……できた」
昼食は食べたけど……集中してたので部屋に運び込んで貰った物を食べた……と思う。記憶にないけど……ォィ。
「腹減ったな……」
いい時間だし……夕飯を食べたらその後に、2人に渡そうと思う。
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後で渡した後、大変喜ばれたけど……。翌日、ゴブリン単体でうろついてたのを試しに斃したら瞬殺だったって報告を受けた。勿論怒ったよ……止む得ない場合を除いて戦闘すんなっていった訳だしね……ッタク。
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