58 アイテムボックスに拘って… その58
2階から響いてくるベッドの
※1年後に彼の弟か妹が増えるのは秒読みに入ったかも知れない……(苦笑)
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──6日目 その1──
朝、起きた後に入浴を勧められ……タナミナ兄妹を風呂に入れる。タナは僕と、ミナは
何で?……とは妹サマと暗黙の了解で問わないようにした。ちなみに僕と妹サマは1階に部屋がある。関係無いが妹サマの方が部屋が広い……アイテムボックスの付与アイテム置く場所は、アイテムボックスがあるから狭いとは感じないが……それでも常時使う物とか置いてるとゴチャッとしていて部屋が狭く感じる。
(交換は……してくれないんだろうなぁ……)
その内、扉型のアイテムボックスとか付与できないかな? 扉の中に入ると、広い部屋があるとか……夢が広がりんぐ……
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朝食後、タナミナ兄妹の為に少しだけ装備を買い揃える為に探索者ギルドの中の購買に向かう。そこは基本的な武器や防具、道具類や消耗品類が置いてある。着ていた衣類はボロ過ぎるので僕と妹サマのお古を譲った。
このご時世、古くなって着れなくなったからといっても安易に捨てはしない。ご近所の子供で成長して着れる年齢になったら譲ったり譲られたりしている。
母さんの裁縫スキルがレベルが高く……継ぎはぎの部分が殆どわからないんだ……依って、本業は主婦なんだけどご近所から修繕の依頼が後を絶たない。
僕のスキルの内、紡績・布加工なんかは引継ぎスキルって奴なのかも知れない。ちなみに裁縫スキルは表立ってステータス表には現れてないけどそれなりにできる所から潜在スキルとしてあるのかも知れない。
ちなみに下着は買ったのではなく布を買ってきてそれから作ってるんだと思う……ほぼ、市販の下着と変わらない品質だけどね……
※参考にする為に、男の子用のと女の子用の下着が我が家に1着づつある
母さんが「これ見て作ってるのよぉ?」って以前見せびらかせただけなんだけど……妹サマがそれ見て顔を真っ赤に……ホント、コワカッタワ……
※兄に履いてる下着と同じ大本を見ただけなのに、殺しそうな眼力で睨まれたらしい……クワバラクワバラ……
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「まずは不足してる道具とかアイテムを買い揃えないとなぁ……」
という訳で、手持ちの道具類とアイテム類を訪ねる……が、
「道具?……えっと」
「道具ってなぁーに?」
という訳で、1つも道具といえる物は無いらしい……マジカ。
「消耗品は?」
「使ったら無くなる薬みたいなもんか?」
「あー……この前貰ったぽーしょん?……くらいかな?」
怪我をした時に備えて、ポーションって呼ばれる水薬を買い与えた。そのことをミナがいってるんだと思う。疲れた時にも飲めば体力がある程度回復するから、疲れたら飲んでいいぞっていったんだけど……
「まだ飲んでなかったのか」
「うん!」
「まぁ……勿体ないからな」
買い与えたのは最下級の汎用ポーション。1本5千円で効能は以下の通り。
汎用ポーション(水薬型)
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◎様々な効果を持つ水薬。飲むも善し、怪我の部位に掛けても善し、ガーゼなどに染み込ませて湿布のように貼っても善しの三拍子が揃っているが、効果は最低(一般的な薬よりは効果は高い)
・体力回復(小)……一般的な栄養剤よりは回復効果は上
・精神疲労の回復(小)……8時間掛けて睡眠せずとも1時間で回復可(但し連続使用は推奨せず)
・外傷部位の組織修復(小)……打撲・切り傷や火傷など、僅かな時間で修復(1時間程度)
・骨のヒビの組織修復(小)……直接振りかける必要はあるが接合してから手当すれば修復可(3時間程度)
※骨折でも単純骨折ならきちんと接合した後で振りかければOK(但し部位切開する必要あり)
↑複雑骨折などは流石に無理だし中級以上のポーションが必要
◎売価:5千円……探索者ギルド関係者のみ販売可(横流し厳禁)
◎特徴:薬師・錬金術ギルドで生産されている
※ドロップ品でも存在はするが効果が一定ではない。蓋を開けなければ劣化しないのが利点か?
◎備考・他:
・薬師か錬金術のスキルレベルが一定以上あり、素材が揃ってれば一定品質で生産が可能
・薬師スキルで生産された方が品質は高くなる傾向があるが、錬金術スキルで作った方が大量生産に向く
・汎用というだけ様々な効能がある(精神疲労回復は魔力回復に繋がる)がそのどれもが最低品質……だが、化学薬品素材の回復効果のあるどの薬よりも高いのは業界が認める製品である
・但し……見習いの薬師・錬金術師が作った不完全品は飲まない方がいい(腹を下す可能性あり)
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一応、もう1本づつ買い与える。締めて計4本を買い与えた訳だが……死なれるよりはマシだ。他には近所のダンジョンでは毒を持つ魔物は居ないというので解毒薬や毒消しは省略した。弱毒であれば汎用ポーションで何とかなる訳だし。道具類や消耗品類は、特に思いつかなかったので買ってから防具屋に行ったんだけど……
「ガキが装備できるのは置いてねぇ……道具屋で頑丈そうな服とか靴を揃えた方がいいんじゃねえか?」
といわれたのでそれもそうか……と店を出た。結局、子供用の服も靴も置いてなかった。だが、ダンジョンに入るのに頑丈な衣類や靴は必須だ。
「仕方ないな……作ったことはないけど……」
と、衣類は残ってるスパイダーシルクを使って作ることにして、靴はギルドで安い皮を買い求めた……まぁそれが一番高くついたけど。
(うーん……用意して来た100万が殆ど吹っ飛んだな……)
貯金は残高200万ちょっとだ。来月もまた100万が振り込まれるんだけど……ギルド購買に在ったデス・バッファローの皮1頭分を仕舞ってから帰宅することにした。これで衣類と靴と……余ったら
まだ明るいからと油断してたんだよな……。戦闘経験が無い僕は油断してたら雑魚でしかないが……2人はそうじゃなかった。
「誰?……後を付けてるのは」
「気付かれてないと思ったら大間違いだぞ?」
いや君たち……気付いてたのは偉いけどさ……何で挑発すんの?
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何故挑発するのか……
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