56 アイテムボックスに拘って… その56
何だかんだで
ミナは当然と岬子と一緒の布団の中で寝るらしい……ベッドだけどな。タナは僕の部屋……ではなく、岬子の部屋の床に来客用の布団を敷いて寝るようだ。何でも妹サマが色々と訊きたいことがあるそうで……
※どちらかってーと、精神的優勢でダブルシスターがタナを追い込むオチとなるか……
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──5日目 その1──
(すっかり仲良くなってるようだな……)
朝食時……食卓を囲っている3人を見れば、そう見て取れる。今日は日曜の為、両親も普通にキッチンに集合している……母親は朝食の用意でてんてこまいだし妹サマも手伝っている。タナミナ兄妹といえば、一応「お客様」扱いで食卓で鎮座して縮こまっている……けど(苦笑)
「昨日はどうだった?」
と、タナに話しを振ってみる。
「あ、いや、その……」
うんうん、同い年の女の子の部屋だもんな……緊張して眠れなかったんだろ。
「お喋り楽しかったよ!」
とはミナの
※天国のようで地獄のような状況……きっとタナはいい匂いのする部屋で動けずにカチコチとなってて、緊張感で眠れなかったのかも知れない……何か眠そうにしてるしw
・
・
「「「ごちそうさまでした」」」
「……ごち、でした」
「ご、ごちそうさま?」
後追いはタナミナ兄妹の台詞だ。食べる時も遅れていたが、今までそんな言葉すら両親に教わってないんだろうか……? 小学校中退の時期も、下手をすると入学してすぐなのかも知れない。辛うじて言葉は交わしているが、ひょっとすると文字も書けない可能性もある……そんな可能性を考えながら、妹サマを見る。
「「……」」
頷く妹様。いやアイコンタクトだけでわかるのか?
「ミナちゃん、タナくんも。ちょっとあたしの部屋に来ない?」
と、誘導されていくタナミナ。
「……甲司?」
「今日は日曜だ。ゆっくりして来ていいぞ?」
「……お、おう」
「こうじお兄ちゃん、さきこお姉ちゃんのお部屋にあそびにいってくるね?」
「いってらー」
軽く手を挙げて振る甲司。怪訝そうな顔のまま引っ張られて連れ込まれるタナと、ニコニコ顔で手を繋いでいるミナ。そんな様子を見ていた両親がドアが閉まった途端に口を開ける。
「可愛らしい子たちね」と微笑んでいる母。
「何処で拾って来たんだ?」と小難しい顔の父。失礼な……
拾って来たってのは……
「んとね……」
元小学生のタナミナ兄妹の……わかっている範囲に限るけど。僕の説明タイムが始まった……
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甲司「この辺、孤児院とかそういう施設ないだろ?」
父 「あぁ……まさかっ!?」
甲司「そのまさかさ……ギルド黙認の上でダンジョン浅層でゴミ拾いして生計を立ててるんだ……」
母 「ご両親は……」
甲司「いつかは知らないけど、既に他界してるって」
父母「「……」」
甲司「で、僕はダンジョンに入れない。そこで、使える物を拾って来て貰って、対価を……という訳」
父母「「……」」
甲司「昨夜、岬子がギルドに付いて来ちゃっててさ……ハァ」
父 「成程……それでお
母 「まぁ……1日くらいはいいんだけれどね?」
父 「あぁ……うちも家計が苦しくない訳じゃないしな……」
甲司「は?……あいつら、安宿に泊まらないで野宿してんだけど?」
父母「「は?」」
※かくかくしかじかとその理由を話す(詳細は前話後書き参照)……そして涙を流して暫く泊めても良いと許諾を得る甲司……家計が苦しいなら、家に生活費を入れた方がいいかなと考えるが……今はまだ早いだろうと内緒にする甲司だった!
※既に数箇月で父親の年収を超える収益を叩き出す甲司。父の
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