53 アイテムボックスに拘って… その53
2回の素材とドロップ品を用いてヘルメット型の照明魔導具の作成構想を練る
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──3日目 その1──
「灯りの魔導具?」
「はい。できるだけ小さいのが欲しいんですが……」
「ちょっと待って下さいね?」
どたどたと店主が奥に引っ込んで行く。そして数分が経ち、幾つかを手に戻って来る。
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「うーん……」
取り敢えず並べられた内のどれがいいかわからなかった為、ヘルメットの穴に嵌まる大きさの物を2つづつ購入することにした。いや、家にあった適当に選んだ灯りの魔導具が壊れてて、全く光らなかった為に買いに出て来た訳だ。
「大きさの合わなかったのは中の構造解析用にしてっと……」
大きい物は分解も楽そうだし、構造解析も楽そうだったからだ。後で造る時に役に立つかもと思ってね……だから無駄な出費じゃないと思うんだ!……うん(自己弁護とかいわないように……)
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「おかえり」
「「ただいま!」」
恒例となりつつある夕方の挨拶だ。今回は受付前に居ると他の探索者の邪魔になると思い、外で待ってた訳だけど……
「じゃあちょっと待っててな?」
「あぁ……」
と、挨拶をしてすぐに別れて外で待つ甲司。暫くすると、中で何やら騒がしくなり……
「……?」
何やってんだ?……と思い、中へ入ると……
「てめえ……何かズルしてんだろぉがっ!?」
「してねえってさっきからいってんだろぉっ!!」
「止めてぇっ!……」
と……大騒ぎの真っ最中だった。
「何やってんですか?」
と、受付嬢に訊く甲司。
「あー……あのアホたちが因縁を付けたのよ……」
溜息を吐きながら返される。
大方、「ズルをした」と先程叫んでたので持ち帰るアイテムが多いから
「はぁ……そんな訳無いし。あいつらが誰にもバレずに盗みをするような器用な奴に見えるのかね?」
受付嬢は「ぷ」と吹き出しつつ笑いを堪えてるが、そんなに面白いことだったかなぁ?……と頭を掻く甲司だった。
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まさか争いに加担する訳にもいかず、ギルド長が現れて難癖を付けて来た連中に拳骨と1週間のトイレ掃除を命じられていた。いい大人が何してるんだかなぁ……
※これぞ、冒険者や探索者たちが脳筋といわれる
※脳筋:脳みそまで筋肉でできてるとか、考える頭が無くて全て暴力で片を付けようとする者たちに対する
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