43 アイテムボックスに拘って… その43

 指名依頼ででっかい金庫のアイテムボックス付与を求められた。金属素材は外装がアダマンタイト。内装がミスリルでアイテムボックス付与ができるのが内装のみ。

 甲司こうじはいつの間にか生えていた「金属解析」スキルで調べた所……とんでもない倍率の内容量拡張と時間停止が付与できることが判明した。そして、失敗前提で付与した結果……魔力をほぼ枯渇して意識を失ってしまうのだった……アホヤン。

※全ての魔力を振り絞った場合、生命力も失う=死亡となるので殆ど枯渇となります(魔力を無理しない範囲で使い、寝て回復させると魔力最大値は増える(個体差あり)けど、無理をすると死んだり逆に減ったりするので注意して鍛錬しまSHOW!)

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──材料費に困らなくなって来た!──


(とはいえ、ダンジョン産の素材とかくっそ高いしなぁ……)


 かといって魔物ドロップ品や解体時に得られる素材も高い。ダンジョン外を徘徊しているのは弱い魔物が多く、せいぜい魔石が有用となるだけだ。だが、探索者と知り合いになれば、上手く行けば分けて貰えられるかも知れない。何しろ、甲司は普通なら入手するのが難しい……下手をすれば一生お目に掛からない魔導具を創り出せるのだ。


 甲司が欲しているのはそれ程高額でも高品質の物でなくてもいい……最低限、スパイダーシルクとかドロップ品の魔物革製の袋で構わない。地上の普通品質以上の物で且つ、布・革・金属の3種類であれば修繕して再生ができる可能性があり、破損していれば安く入手できる可能性がある。


 ……という訳で、仲良くなって低品質のアイテムボックス付与した何かをプレゼントしてドロップ品や解体して得た素材を……という目論見もくろみで毎週日曜に「ダンジョン」……ではなく、ダンジョンを管理している「ダンジョン管理局」……でもなく、ダンジョンの近くにある「ダンジョン資源買取所」で様子を見ていた。



(うーん……取り敢えず最低限のダンジョンドロップ品でいーんだけど……)


 アイテム買取所が見える位置で見張っているが、なかなか「これ」という物を買い取りに出している人は少ない。


 そんなこんなで、日曜の午後から夕方まで眺めていたが……甲司が欲する物は無かったのだった……


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 例のゴミ捨て場も時折見て回ってるが、流石にダンジョン産の物は残っていることはなかったという……

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