42 アイテムボックスに拘って… その42
初めての魔物ドロップ品「スパイダーシルク」で造った「紐付き布袋」にアイテムボックス付与を行った
調査した結果、最大倍率同士での付与は前例が無く……オークションではアイテムボックス型出品物としては、過去最高峰の落札額となった……最初の1つが最低額と比べて2億円も多かったのは、出品者が1つしか出して来ないだろうと予想していたんだろう。まぁ……予想を裏切って4つも出品されてたので落札額が目減りしてったんだけども(苦笑)
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──冬季休暇も間近なこの頃……──
あれから……
「まだ自覚してないの?」
って先生に怒られた。いや……僕、まだ中学生なんだけど? そして、毎月振り込まれるオークションで高額落札されたスパイダーシルク製のアイテムボックス付与済みの紐付き布袋。おひとつ、最低額で4億5千万円也……
どんな金額だよ!?……狂ってるとしか思えないんだけど……とは思ったものの。ある所にはあるもんだな……と思うしかなかった。とりま、毎月100万円づつ振り込まれて……僕名義の銀行口座には現在300万円と少しが記帳したら刻まれていた。
普通の人の年収並みの金額がたった3箇月でDEATHよ!? ハァハァハァ……興奮してても始まらないか。で、月に1回のペースで依頼されてるって話しだったな。最初の月は……以前金庫の内容量拡張をやった実績があると知られて……いや別に隠してないけど。割とでっかい……アダマンタイト製の外装で、中身はミスリル製の金庫を用意されてだな……
「ミスリルなら付与可能だよな?」
って目で
「……」
見た感じ、この金庫……外見はざっと見た感じは僕より高さがあるし(僕の身長は平均的な中2より低いけど)、動かしてみた感じ、ビクともしないからかなり重い。傍に控えてたこの屋敷の使用人ぽい人(男性)に頼んで中を開けてみた(重そうだったので)
「……この扉、やっぱり重いですか?」
「いえ?……きちんと油を引いてますのでそれ程とは……」
ふむ……でも、勝手に他人が触れても問題があるだろうし、いっか……
「今回は内容量拡張だけでいいんでしたっけ?」
「……そう、御屋形様からは聞いております」
うわ、おやかたさまって……昔の大名様かな? 取り敢えず渡されていた資料をもう1回開いて読む……
◎最低内容量拡張倍率……100倍以上(とあるが、実際にはどの程度拡張できるか……上限は不明)
◎可能なら、時間経過緩和を付与して欲しい
◎重量軽減は考慮せずとも良い
「……」
ざっと見、内容量は結構ありそうだ。僕自身を詰め込めば5人以上入りそうだし……まぁ、閉じ込めたら窒息死するけど。
※座れる面積で5、6人。詰めれば10人以上は入るかも?(怪我を考慮に入れず(チョッ!))
ちょっとだけレベルの上がった「触れれば解析できる」解析スキルを発動する。金属細工と金属加工のスキルに付随する新スキルだ。
どうやら解析スキルってのは、種類毎に付随するらしい……一般的な「鑑定スキル」は広く浅くその対象を鑑定するスキルで、「解析スキル」は狭く深くその対象を解析するものらしい(今まで鑑定と勘違いしてた)。但し……ステータス表には現れないんだけどね。該当スキルの詳細を見て、初めてその存在を知る訳だけど……
(確か、他人からは詳細は見えないんだっけ……)
あくまで、他人はステータス表の表面……最初に見える部分しか見えないらしい。
(看破スキルとかあれば見えるかもだけど)
まぁスキルのことはいっか……取り敢えず、今は金庫に最低100倍の内容量拡張を付与することだけ考えれば……だけど、上位の素材は付与回数は1回ではなく数回はリトライができると聞く……なので、失敗は……
(数回くらいならいいよな?)
と、
(まず、内容量拡張200倍、時間停止の2つを付与)
と設定して魔力を練る……練る……練る練るネルネ……、じゃない……練る……
そうしてどれ程の時間が経過しただろう?……練り終わった途端、金庫の置かれた床に魔方陣が現れる。僕はというと、いつの間にか金庫を前に目を瞑ってしまってたので……魔方陣が現れたなんて意識していなかった。恐らくはそのタイミングだと思う……
急に練っていた魔力が高まり、体を巡っていた魔力がスムーズに流れるようになった……と感じた。
「アイテムボックス付与!」
そう口から出た……叫ぶでもなく、唯単に、静かに口から零れていた……そして。魔方陣から魔力光が溢れ……金庫を包み……
「かん……りょ……」
ぱたり
僕の意識はその場で手放してしまい……次の日の朝。やたらとフッカフカなベッドで目覚めるまで気付くことは無かったそうだ。
・
・
「まさか、ほぼ全魔力を放出することになるとはなぁ……」
しかも成功しちゃうし。ちなみに、ステータスはこんなことになっていた……
ステータス
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名前:匣岬 甲司(はこざき こうじ)
身体:筋C+ 体C 精B+ 知A+ 器A+ 速C 運C 魅E
技術:紡績Lv0、布加工Lv0+、裁縫Lv0+、革細工(布革解析Lv0)
金属細工Lv1、金属加工Lv0(金属解析Lv0)
木工細工Lv0
魔力制御Lv1+、魔力付与Lv3
固有:アイテムボックスLv2
※身体:低← EーA,S →高
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※マスクデータとして解析スキルが本人だけに見えるようになった(本人以外は見えない)※接触発動
※金属細工がLv0+→Lv1に。金属加工が無印→Lv0に。魔力制御がLv1→Lv1+に。魔力付与がLv2+→Lv3に
※精神力B→B+に。知力A→A+に。アイテムボックススキルLv1+→Lv2に
ちなみに他人が人物鑑定で見た場合、次のように見えるらしい……
ステータス
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名前:匣岬 甲司・男性・14歳
身体:筋C+ 体C 精B+ 知A+ 器A+ 速C 運C 魅E
技術:紡績 布加工 裁縫 革細工 金属(細工 加工) 木工細工 魔力(制御 付与)
固有:(伏せられています)
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(身体ステータス以外のレベルは伏せられてるんだ……)
固有スキルに至っては完全隠蔽状態。人に依っては知られると困るスキルが多いってことだろう……多分。自分が見ると省略されてたけど、性別と年齢が簡略ステータスだと表示されるってのは……
(ま、まぁ……自分のことだから知ってる前提なんだろうな……多分)
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その通りです。仮に、記憶喪失になって自分の性別や年齢がわからない(性別がわからないってことは少ないと思うけど)となった場合は表示される安心設計ですw
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