16 アイテムボックスに拘って… その16

 取り敢えず成り行きで全員(先生含む)プレゼントとして巾着袋を贈った。そして、スキルの鍛錬に独りで自由に使える時間を用意して貰った。裁縫スキル持ちってことで申請したのだけどね……

 まぁ……独りで集中したい時間も必要ということで認めては貰えた。それ以外は女の中に男が独り状態で部活動ってなったんだけど……ハァ。

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──料理研究部──


 僕の部活動は誰も居ない方が気が楽なんだけど……別に他人が見ても何やってるかわからないし「裁縫スキル」を鍛えたいと申請してるのでそうなんだろう……と勝手に勘違いしてくれると思う。


 そんなこんなで今日は「総合家庭科部」所属の人たちは居らず、独りで家庭科室の隅っこで小箱と布袋をアイテムボックス化する為に勤しんでいた。一応、見た目は小綺麗にして外側も磨いておいたので……


「ぱっと見は……まぁ大丈夫そうだな」


 と、呟き……


「あら?……何が大丈夫なの?」


 と、背後からささやかれて……


「わあぁあぁあっ!?」


 と驚き、一般人からすれば一瞬で数m離れて迎撃態勢を取る甲司に驚いただろう……


「びっくりしたぁ……もしかして冒険者資格持ってるの?」


 と驚かれてしまう。


「あ……部活動の人……ですか?」


 制服からして一学年上の生徒のようだ。つまり、3年生だ。今日は総合家庭科部は活動日ではないと聞いていたので、恐らくは料理研究部の生徒だろう。


「えと……冒険者資格は高校生からなので、まだ未取得です」


 一応、質問には答えておく。スルーしたと思われれば印象も悪くなるだろうし……


「ふぅーん?」


 ぱっと見、なかなか艶っぽいこの女生徒は……それだけいうと意味ありげな視線を飛ばしつつ向こうに行ってしまった。途端に他の料理研究部の面々だと思われる女生徒が数人現れ……


「お、お待たせしました!!」


 と、息せき切って入って来た糧飯かてい先生が……一応、顔合わせをするということで、集まってる前へと連れ出されるんだけど……


「「「ふぅーん……」」」


 という反応だった。まぁ、総合家庭科部に入ってると知った後のだけどね……。スキルの鍛錬で隅っこを使わして貰うってことで邪魔をしない前提で許可して貰ってるんだけど余りいい顔をされなかった。


 仲が良くないのかな?……総合家庭科部と料理研究部って……


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 活動内容は一部だけ被ってるんだよね……(料理をするって所だけw)

※総合家庭科部……掃除洗濯家事親父……じゃなくて家事全般のスキルを育成する活動を主としている。関連するスキルが生えればより生活する上で職業にも生かせる……ということで、ついでではあるがそのような目的もある。甲司が裁縫スキルを持っているということで、浦山怪しからん!……という目で睨んでいるw


※料理研究部……主に料理を突き詰めて行くということを主眼とする部。昔と違い、現代では食材も限られている故に今ある食材で如何に美味しい料理を提供できるかっ!?……という目的で活動している、らしい。究極の料理を作ることを主眼としている研究部からすると、ついでに料理をしている家庭科部は余り善しとはしてないのかも知れない……後、家が裕福な生徒が多いのも特徴


甲司「イヤーな悪寒しかせんわ……」←それ、予感な(苦笑)

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