14 アイテムボックスに拘って… その14

 裁縫さいほうスキルの内、布加工と裁縫を披露……そしたら、

「できる訳ねえっ!!」

 って怒られた……。理不尽過ぎる……orz

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──他にできること無いか?って聞かれたので……──


「えっと……じゃあ、もっと基本的で簡単なのを……とリクエスト頂いたので……」


 まずは布解ぬのほぐし。端材はざいまで小さくなった布切れを糸に戻す……まぁちゃんとした布でもいいんだけど勿体ないので。先生に頼んで端材を持ってきて貰った……切れたり破れた部分の当て布に使うだろう端材は残ってると思ったんだ。箱の中にある端材を幾つか手に取り、


「布解し」


 といってバラバラにする。皆の目にわかるように、ゆっくりとテーブルの上に糸を落としていくんだけど……


「「「今、何やったの?」」」


 と訊かれるだけで……


「えと、布を分解して糸状にしたんですが……」


 と答えた所、


「「「はぁ……」」」


 と溜息をかれた。じゃあどうせえと……まぁいいや。つぎつぎ……。落とした糸を手に持って……一応全部な。


糸紡いとつむぎ」


 握って広げたら、大体10mちょっとはある糸の束ができる。とはいっても、手の平で巻いた感じで輪っかになってるんだけど。全ての布は適当に選んだので色々な色の布の端材があり、できあがった糸は全部混ぜてみたような色合いになっていた。だから、ちょっとだけムラのある灰色に近い色かな? 補修に使う意図なら全然問題は無いと思う。


 そろぉー……と視線を上げるんだけど、


「今のは?」


 と冷たい平坦な声で質問が飛ぶ。


「えっと……布の端材を分解してできた短い糸を紡いで長い糸にしました」


 と、応える。矢張り、返って来たのは溜息。


(何が悪いんだ?……まぁできることを実演して説明しただけなんだけどなぁ……)


 と思っていると、


「あの……甲司こうじくんに質問なんだけど、いいかな?」


 と、糧飯先生から質問が……


「あ、はい。答えられる範囲でなら……」


 と返すと、ヒソヒソと


(やっぱりプロなんじゃない?)


(何か隠してる感じだしね……)


 喋る女子生徒たち。一体何を証拠に……いや、隠してるのは正解だけどさぁーー……


「甲司君の裁縫スキルはレベルは幾つ?」


「あぁ……えと……」


 そっとステータスを覗き見る……とはいえ、オープンモードでなければ他人には見えないけど。



ステータス

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名前:匣岬 甲司(はこざき こうじ)

身体:筋C 体C 精B 知A 器A 速C 運C 魅E

技術:紡績、布加工Lv0、裁縫Lv0、金属細工、木細工、魔力制御Lv1、魔力付与Lv2

固有:アイテムボックスLv0

※身体:EーA,S(低→高)

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(ありゃ?)


 確か、裁縫も布加工もまだレベルは生えてなかった筈なんだけど……


「えっと……レベル生えてます。レベル0ですが……」


 と答えると、


「「「ええっ!……まさかのレベル持ちっ!?」」」


 と驚かれた。いや、レベル持ちって何?


「あの……レベル持ちって?」


 ちなみに能無しノースキルのお陰でその辺の情報が全くといっていい程、耳に入って来ないんだよね……。この際、基本的な知識から色々教えて貰った方がいいだろう……ちぐはぐ過ぎるこの状態だと、部内でもバカにされかねないし……


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 学校でも差別を受けていたらしい甲司くんでした……orz

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