13 アイテムボックスに拘って… その13

 総合家庭科部に入部し、自己紹介をした。アイテムボックスの鍛錬を安全にできる場所の確保をしに来ただけなんだけどなぁ……

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──裁縫スキルを披露──


「じゃあ、早速だけど」


「裁縫スキルでできること、ですね?」


「「「そうそう!」」」


 圧が凄く、後退あとずさる僕。


「まぁ……1つは先日披露した奴ですが……」


 布加工の応用……染み抜きだ。スキルとして定着したスキルじゃないんだけど……できることを組み合わせれば誰でもできるんじゃないかと? だからこその「応用」な訳だし。


 一通り、わざと汚れた布……まぁ、拾ってきてまだ汚れを落としてない布切れなんて幾らでもあるし。それを鞄から取り出(すように見せかけて、アイテムボックスから取り出)して洗浄してみせる。


「えと……今日は布加工のスキルで袋を作ってみます」


 あっさりと綺麗にした布切れを、手に持って順番に確認して静かになっている間に次のお披露目を口にすると……集中力を上げて凝視する10の瞳から出る視線ビームの中、その辺に置いていた布ロールを見つけて糧飯かてい先生に使ってもいいか訊き、許可を得てから手に取る。


「ほっと」


 布ロールを手に取ってからから1m程布を延ばしてスキルを使う。


するる……


すぱっ


 ……と、ハサミを使わずに切断した。


「裁断です」


「え……ハサミを使わずに?」


「「「嘘でしょ……」」」


 まぁ……普通はびっくりするよね。糸とか布にしか影響を与えないスキルだけど、逆にいえば……人間が着てる衣服も相手を傷付けずに切ることができるので、ある意味危険なスキルともいえるか……エロい方向で。


 布ロールをテーブルに置き、裁断した布を両手で持って……、暫く考えてから再び糧飯先生に許可を得てボビン毎ミシン糸を片手に取る。


「ほっ」


 一瞬にして布を袋状に縫い上げる。


「「「え……っと?」」」


 布袋は巾着袋きんちゃくぶくろモドキというか……紐で口を縛ったアレとなっていた。紐はそれ程長くなく、小学生が使うような靴袋のような形状だったが。1m×布ロールの幅(1mは無い)では中途半端な大きさだが使えないことはないだろう。尚、ボビンのミシン糸は消費した分だけ減り、手元に残っている。


※布は袋に加工されたので、残っていない(布ロールは離れた場所に置いてるので勿論残っている)



「できあがりです」


 ぢぃ……と凝視していた女性陣だが、やがて……


「「「こんなんできるかぁっ!?」」」


 ……と怒られた。せぬ……


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 時間にしてたったの30秒のお仕事DEATH!w

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