09 アイテムボックスに拘って… その9
小遣いが貯まるのを待ってられなかったのでダンジョン区の
「泥棒は悪人の始まり」
その言葉を体感してしまった僕氏だった。但し、他人の行為でだが……
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──色々やってたら色々スキルが生えて来た?──
解れたり途中で切れて短くなった糸を1回
ステータス
という物があり、その分野の作業を繰り返しているとステータスが伸びる。或いはスキルが生まれてより効率良く関連するステータスが伸び易くなる。そして熟練度を上げると、該当スキルのレベルが生まれ……
レベル無し(スキル名のみ、該当スキルの最低限の所作が何とか使えるように)
↓ ↑剣術なら素振りが多少上手くなる、疲れ難くなるなど
レベル0 (レベル発生、基本スキルが扱えるようになる)
↓ ↑レベル0で扱えるスラッシュ、剣ガードなど
レベル1 (次段階へ、基本スキルレベル1までが扱えるようになる)
:
と、どんどん扱い易く強力になっていく。
レベル1以上は非公表になっていることが多く、一般的には家族に該当スキルが生まれたなどなければ知ることは余り無いらしい……
ちなみに僕氏はこんな状況だ(ここで初めて名前が公開されるっていう……(苦笑))
ステータス
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名前:匣岬 甲司(はこざき こうじ)
身体:筋C 体C 精B 知A 器A 速C 運C 魅E
技術:紡績、布加工、裁縫、金属細工、木細工、魔力制御Lv1、魔力付与Lv2
固有:アイテムボックスLv0
※身体:高 ←S,A,B,C,D,E→ 低
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まぁ、小さい頃からアイテムボックス付与の鍛錬をしていたからな……。ステータスには対応したスキルが生えていたって訳だ……っていうか、モロに後衛向きのステータスだよな……いや、わかってたけど。
(前衛にはちょっと足りないよな……体力とか筋力とか)
知力と器用がダントツでAなのはいいけど魅力は最低値のE……
(そんなにブ男なのかなぁ?……それとも精神ブス?)
鏡を見てもそうは思わないが、確かに毒舌感はあるかも知れない……。先日、小銭入れを盗まれそうになった時、あれは容赦無かったかもなぁ……でも、普通はアイテムボックスのような高額な物を盗むとか有り得ないし……まぁ、子供が考えても結論は出ないし。そーゆーのは大人に任せておけばいっか。
・
・
「さて……偶には別の場所で鍛錬するかな?」
糸を作って布を綺麗にして修繕して。小箱は蓋が取れてたりヒビが入ったのを修繕して。幾つか綺麗に作り直したのでもう1回洗濯したり表面を磨いてニスを塗ったりして……。売れないにしてもプレゼントできるくらいには布袋と小箱を揃えた。同じ物を買おうと思えば、再び半年以上は待たなくてはならないけど、今回は……
(2箇月で何とかなったなぁ……)
いやまぁ……ニスとか筆とか洗剤とか……お金が掛かる物は小遣いを待って買った訳で。消耗品ではあるけど残れば次回に使いまわせる。使う所は使い、節約できる所は節約する……って、母さんがいってた。
「……さて、到着っと」
きょろきょろと周囲を見回して誰も居ないことを確認すると座り込む。
「おお!……アイテムボックスだぜ」
「あいつの情報はマジモンだったな?」
……って声が聞こえてきた。
「……誰?」
余りいい感じがしないので、3段ロッドを取り出しておく。今回は普通の袋の中に素材以外に護身用に3段ロッドを入れておいたんだ。先日、ゴミ捨て区でスラムの住人に
「子供がアイテムボックスを持っている」
って情報が流れたっぽいからね。子供だからって油断してると今回のようになるって思ってたけど……
「まさか本当に襲いに来るとは思わなかったよ……」
ジャキンッ!
右手で振って3段ロッドを伸長する。まぁ……ロクに訓練してない中坊じゃあどこまで通用するかわからないけど。
(相手も小学生くらいの集団に、中学生くらいのリーダーだから何とかなれば……いいなぁ)
着てる物は汚れていて、体なんかは痩せ細ってるけど……。目だけはギラギラしていて、闘争心だけは高いって感じ。ロッドを構える。ロッドの握った以外の部分に電流が爆ぜて
バリバリ……
と音がなる。これ、魔力がそんなに込められないから3人も気絶させるとガス欠になるんだよね……流石安物……って買ってくれた父さんに文句は無いけどさ……まさか、10数人も連れて現れるとは思わなかったし……
(しょうがない……3人気絶させたら逃げるか……)
多勢に無勢。護身の魔導具もそんなに魔力が無いから麻痺させる人数も似たような物だし……
「死ねやおらぁっ!」
と、背後から殴りかかって来たので
「まずは1人」
ばりぃっ!
「うぎゃああああっ!?」
と、盛大な感電な音を立てて叫び倒れるスラムの子。
(はぁ……何でこんな無駄な争いが……)
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ゴミ捨て場で
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