03 アイテムボックスに拘って… その3

 とある平日の下校時……いつもの2人に能無しノースキル揶揄からかわれながら帰宅していた。そして無視する主人公についにキレた2人は攻撃を加える……。だが、鍛錬された身体能力で軽やかに避けてしまう。

 そんな現場を見ていた付近の住民に通報されてしまった主人公は加害者と仮認定されて連行されてしまう……

「いや、僕、攻撃された側なんですが?」

「加害者のスキル所有者はみんなそういうんだよ!」

「いや、僕、ノースキルなんですが?」

「加害者のスキル所有者はみんなそういうんだよ!」

 ダメだ……お話しにならない……orz

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──あかんわこれ……──


 ……という訳で、現在警察署……ではなく、探索者ギルドの取調室だ。パトカーで輸送されたんだけどね。手錠3つ付けて両腕を強化ロープでぐるぐる巻きにして……。スキル持ちが怖いのはわかるけど、簡易的なスキル検知器とか持ってないのかな? それを使えばわかるだろうに……ハァ。


 ちなみにパトカーは魔石で動く奴だ。対モンスターの装甲でガッチガチになってる奴。ガラスは製造工場が失われて久しいけど鉄なんかは加工が容易なのか太い金網がガラス代わりになっている。


(雨降ったらどうするんだろ?)


 ……と思ってたら、細い鉄棒の支柱で支えられてる鉄板が持ちあがってた。ロックを外せば降りる仕組みだ。


 ドアは中に隠れてる薄い鉄板をスライドして出すんだろう……窓ガラスが収まってる所にそれらしいのが見えたし。



「出ろ」


 警察官に連行されながら、探索者ギルドに入る。


(はぁ……こんな形で訪れたくなかったなぁ……)


 ちなみに何で道中何もいい訳をしなかったかというと、何をいっても


「加害者のスキル所有者はみんなそういうんだよ!」


 しか返って来なかったから。きっと、油断して殺された警察官が多かったんだろうな……で、上半身をぐるぐるロープで固定され、腕も手錠3つで動かせないままに連行される僕氏。


 取調室に入ると警察官は敬礼をして立ち去ってった。連行に3人付いてたんだけど3人とも、ね。そして取調室には出入口に屈強そうな探索者か職員と思われる男性が1人。机の対面には女性が1人。


「じゃあ、そこの椅子に掛けて?」


「あ……はい」


 両腕が使えないんだけど足で突っ掛けて……でもそれじゃ行儀悪いよな……と思って立ち悩んでいると、


「それじゃ不自由だろう」


 と、いつの間にか出入口の人が背後に立っていた。


(こ、この人……気配も見せずに!?)


 と思ってたら、あっという間にロープを解除して手錠も外す。


 「……えっと?」


 後ろを振り向くと、ニコっと笑った男性がそれこそ瞬間移動でもしたのかと思うような感じで出入口の横に戻っていた……怖っ!?


「椅子に掛けて?」


 女性から催促さいそくされて、


「あ、はい……」


 と、掠れ気味な声で返事するのが精一杯だった……


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 ヤヴァ過ぎる実力者が背後に!

※何か下手なことをすると、静かに視界が90度以上、右か左に傾きそうな悪寒……ナニソノホラー!?

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