04 アイテムボックスに拘って… その4

 警察官に連行されて探索者ギルドに連れ去られた僕氏。対して大怪我をした虐めっ子たちは……

━━━━━━━━━━━━━━━


──医院に於いて……──


「ぎゃあああ!」


「痛い痛い!」


 消毒をしてるだけでこれである……


 キックをした子はアスファルトの欠片が幾つか埋まってる為にピンセットで摘まんで穿ほじくりだす度に大声で泣き叫び、壁を殴って穴を穿うがった子は同様にコンクリの欠片が指を切り裂いていたので細かい欠片を穿りだしてから縫合しないといけないだろう。こちらの子もピンセットで指を弄る度に泣き叫んでいてこちらの耳が痛いくらいだ……


※麻酔薬は枯渇して久しいので無麻酔でやるしかない



 スキルの回復魔法で皮膚を縫合してもいいんだが、体内に余分な物が残ると影響があるだろうし……


(小さい頃から回復魔法になれていると、大人になったら効き辛くなるしな……)


 という訳で、旧来の治療方法で治療してる訳だ。


 尚、麻酔無しなのは麻酔スキルや催眠スキルを持つ奴がこの小さい医院に居らず、大きい病院に頼むと出張費でべらぼうな料金を搾取されるからだ。この中坊どもに払えるとは思えないしな……


(頭をぶん殴って気絶……って方法も、探索者や冒険者にできても体ができてない子供にゃあ危険だしなぁ……)


 ちなみに2人のスキルは簡易調査した結果、


 脚力強化

 腕力強化


 ……だった。キックをして地面のアスファルトを耕したバカが脚力強化。壁を殴って穴を掘ったバカが腕力強化だ。


 こいつらから聞いた話じゃ、相手は攻撃を回避して無傷だったってことだが……。しかも、能無しノースキルってバカにしてたと……


(それが本当なら、余程身体能力を鍛えてたか……身体能力強化のスキル持ちなんじゃないか?)


 だが、実際に調べてみないとわからない。無いない尽くしだが仕方が無い。今はこいつらの治療しかできんしな……


「だから痛ぇって!」


「もっと優しく!!」


「もっとだぁ?……これでも優しいんだぞ?……頭を殴って気絶させない分はな?」


 と、金属製のつちを持ち出す。よくある、釘を打ち込む小さめの金槌ではなく……モンスター相手の大人の身長くらい柄の部分がある、バトルハンマーだ。医療用? なので、殺傷用の出っ張りはなく、頭に当てる部分は金属ではなく木の板で保護してる特注品だ。


「「……」」


 これで殴られたら、中坊の頭くらいは簡単に体と泣き別れとなるだろうことは想像がつくんだろう……息を飲んで医療用麻酔槌(どんなセンスのネーミングなんだか……)を凝視しているガキども。


「気絶したいか?」


 と訊くと、ぶんぶんと頭を思い切り左右に振っていた。その表情は蒼褪めていて、こいつで殴られたらどうなるか……ということは想像がついたらしい。


 こうして、タオルを2つ渡して口に咥えろとジェスチャーしてからは実に静かだったよ。まぁ……痛いのを我慢してる間、少々唸り声が漏れてくるのくらいは我慢してやったけどな?


━━━━━━━━━━━━━━━

 作者はボーリングの玉(15ポンドくらい)を右足の親指に落とした後、救急車で近所の救急受け入れしてる医院で爪をほぼ全剃りしましたが(根本は残した。そこまで剃ると詰めが生えてこなくなるのでって説明を受けました)……同様にタオルを口に噛ましました。

 まぁ、麻酔が効いてたので、ちょっとメスがショリショリしてる音と何かが爪の内側の肉を削いでいるって感触は感じましたが……(無論、その現場も目視して……血が出てなかったのが幸いしたので気絶はしませんでした(苦笑))←ボール落として1投してストライクを取って(オイッ!w)、やっぱスゲー痛い……って思ってボーリングシューズを脱いだら真っ赤っかで、急に気分が悪くなってしゃがみ込んだってオチ……貧血症状を起こしたそうです(後から聞いた←自分の血を見て貧血って……まぁ靴の中が全部真っ赤だったしシャーナイか……←悪夢で見てないので余程ショッキングだったんだろうな……)←まさか人生で2度目の救急車で運ばれる騒ぎとなるトワ……

 ホラー話を聞くより背筋が冷えるお話しでした……ヒィィッ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る