誕生日と訓練
5月12日今日はどんな日かというと俺の誕生日だ。
「「「「誕生日おめでとう!」」」」
家族からは温かい言葉が贈られた。
「みんなありがとう!」
前世とは違い盛大に行われる誕生日会は俺の胸を昂らせた。
「これ誕生日プレゼントよ。」
母上から子供用の木刀を渡された。修学旅行で買うようなおもちゃではなく硬くそれでいてしなやかな精巧にできた木刀である。
「ありがとうございます母上。」
「私からも一つ送らせてもらおう。」
父上からはローブをもらった。最初はでかいと思ったのだが手に取った瞬間自分の体格に合わせた大きさに自動で収縮した。
「これは父さんが昔使っていたローブだ。ぜひ使ってくれ。」
ローブを着ると魔力が何故か少しスムーズに動かせた。
「これは特殊な魔導具で動きを邪魔せず魔力が通しやすく魔力を通すと防御力が上がる優れものだ。」
「ありがとうございます父上。」
「これで明日から稽古をつけてやれるな。」
やっと稽古をつけてもらえるようになった。魔力操作に関してはだいぶマスターしたがぶっちゃけ自分一人でこれより上を目指せなくなってきていた。しかし『魔皇』とも呼ばれる父上からよりその真髄を見させてもらえるだろう。そして母上からは世界最高峰の武術を学ぶことができるだろう。
(これが彼女を救うための第一歩だ。)
********************
次の日
小学校にて現在論文を読んでいる。授業中なのに読んでていいのかって。本来だったらだめだがテスト全て満点(小学校レベルなので余裕)を叩き出し先生でも理解できないようなものを読んでいるといつしか何も言われなくなった。ちなみに自分のクラスでは友達はいない。
.....別に悲しくはないぞ。
「やっと読み終わった。」
これは入学祝いにもらった論文である。内容としては魔力の運用時に発生する『
簡単に言うと魔力の質を滑らかにすると常時魔力による強化で無駄に魔力が消費されることがないという画期的なものだ。この論文には具体的な魔力の波長といった専門的なことを事細かに書いてあった。
「今日から訓練が始まるなぁ。楽しみだ。」
ソウと凪咲は6歳になったら一緒に稽古をすると言っていた。二人が来るのも楽しみだ。
学校の終わりを表すチャイムが鳴り速攻で家に帰った。
「稽古つけて!」
家に帰った瞬間そのように言うと。
「そんなに楽しみにしてたの。じゃあ木刀とローブを着たり準備してなさい。私もすぐ行くから。」
平日は基本父上がいないため母上の武術鍛錬がメインになるだろう。
「それじゃあ軽くストレッチをしましょう。」
軽く柔軟をしながら体中の腱や筋肉を伸ばしていた。
「柔らかいわね。」
「そうかな?」
たしかに柔軟は動けるようになってから結構していたが、なかなか実感は湧かなかった。たしかに前世ではもっと硬かったが幼少期は基本みんな柔らかい身体を持っているのだ。
「軽く木刀を振ってみて頂戴。」
母上に言われ木刀を握る。力を入れすぎずそれでいて抜けすぎずといういい感じの塩梅を見つけて振ってみる。
ヴォ
ふむ...思ったより動けなかった。振っているときに無駄というか何か余分なものを感じた。そこを意識しながらもう一度振ってみる。
ヴォン
先程よりも身体に力を入れていなかったにも関わらず鋭い一撃を出すことができた。
......楽しい。身体を動かすこと自体は好きだが剣術はそれ以上に楽しい。自分の動きを試行錯誤しより良いものへと昇華させていくという行動がどうしようもなく楽しく感じる。
ヴォンヴォンヴォン
「ストップ。」
20回程振った後母上からストップがかかった。
「私の動きを見てみてちょうだい。」
シュン
母上の動きは一言で言うと『芸術』なのだろう。つい見惚れてしまう程美しい剣筋に鋭く風を切るその一振りは脳に焼きつけられた。
「凄い!」
一言つい口から出てしまった。
「それじゃあ私の動きを参考にやってみてちょうだい。」
流石にあれと同じは無理だが脳に焼き付いた動きを身体に降ろす。見ていたのは剣筋だけではない。母上が剣を振る時に目を魔力で強化したことで筋肉の動きといった詳細も見たのだ。
「はい。ではいきます。」
シュッ
母上程ではないがそこそこいい感じに振る事ができた。自分で振っていたときは腕だけで振っていたのに対し身体中を使ったことで鋭く振ることができたのではないだろうか。
シュッシュッシュッシュッ
身体の力の使い方と姿勢を意識しながらやっていると。
「やめ。」
母上から声がかけられた。気づけばもう日が暮れ始めていた。つまり3時間以上振っていたのだ。いつの間ある。
「夕飯にしましょ。続きは明日よ。」
「はい。ありがとうございました。」
こうして訓練初日はあっという間に終わってしまった。
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どうも聖 聖です。やっと話の中に戦闘系が入ってきます。僕は結構戦闘に関しては構想を練っているので戦闘描写は楽しみにしていてください!
主人公の両親について
蒼井
『
蒼井
『
あれ...両親だけで国取れそうじゃね。っていうか強すぎね。
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