友達はフラグが立っている

5歳がもうすぐ終わる。ということで、小学校に入学するまであと少しである。


「本ばっか読んでないで、友達を作ったらどう。いつも一人だとお母さんは心配だわ。」


母上にこう言われ公園に遊びに行くこととなった。公園に廉斗達がいない中で行くのは初めてである。


「はぁ...友達ね〜。」


前世ではゲームばかりで友達はほとんどいなかった。友達の作り方は正直わからない。


先にはキャッキャと遊ぶ同年代達がいるがどう接すればいいかわからない。


「ねぇねぇ遊ぼうよ。」


短い赤髪で茶色の目の爽やかな少年が話しかけてきた。


「いいよ。」


「女の子の友達もいるけどいい。」


「分かった。」


公園の砂場付近に着いた。


「お帰り。その子誰。」


そこには青い髪に青い目を持つ美少女がそこにいた。初対面だが俺は彼女を知っている。


彼女は本編のヒロインの一人青葉あおば 凪咲なぎさである。高い物理的火力と連射力の速い魔法が特徴の万能タイプのキャラクターだ。


「ああ。この子はさっき会って友達になったんだ。名前は......聞いてなかったわ。」


「天真だ。蒼井 天真。好きなように呼んでくれて構わない。」


「私の名前は青葉 凪咲よ。」


「俺の名前は鹿苑寺ろくおんじ 壮多そうただ。こっちの方こそなんて呼んでもらってもいいぜ。」


理解した。鹿苑寺 壮多彼は約5年後に死ぬ。

鹿苑寺 壮多いや壮多は約5年後に凪咲を庇って死ぬこととなるからだ。


確か凪咲の家と壮多の家は近所であったはずだ。しかし、ダンジョンの突然の出現によって魔力災害が起き、モンスターパレードと呼ばれるモンスターの暴走が起きてしまい殺されそうになった凪咲を助け、壮多は死んでしまうのである。


これは凪咲ルートで語られる彼女の過去編で明かされる。凪咲はこの事件以来大切な人を作らないようにし性格も用心深く引込思案になってしまうのだ。


そんな彼女の心を救うヒーローとなるのが主人公なのである。


本編では死んだ幼馴染についての言及はなかったため壮多に会った時に気づかなかったのだ。


********************


しばらく遊び5時くらいになった日も少し落ちてきた。


今日遊んで分かった事が1つ壮多には異常なほどの身体能力があるということだ。


魔力で常時強化されて8歳位の身体能力がある俺でも全く持って敵わない。正しく天才である。作中のヒロインの中にも彼のように身体能力の高いキャラクターはいるが、流石に身体強化といった類を使うことで身体能力を向上させている。


つまり身体強化を使わずに身体能力が年齢の割に高いのは異常である。まぁまだ幼いからあまり気にすることでもないのかもしれない。


「もうこんな時間か〜。帰らないと。」


「そうね。帰らないと怒られるわね。」


「分かった。ふたりとも気をつけて帰ってね。」


「おう。また遊ぼうな。」


そう言って俺等は別れた。


********************


「........ってな感じだったよ。」


「じゃあ友達はできたのね。」


「うん。」


「「あに〜のともだちあってみたい!」」


家族に壮多と凪咲という友達ができたことを伝えた。


「じゃあ、今度家に二人とも誘ってみたらどうかしら。しっかりお菓子とかも用意するから。」


「分かったよ。今度誘ってみる。」


因みに家はとてもデカい。和洋折衷の家は2階建てで広い敷地があり、修練場やジム、プールなどもある。正直家は自分達の部屋リビング、キッチン、ダイニング、風呂場(温泉みたいな)、書斎の場所しか把握しきれていない。


夜ご飯食べた後いつも通り書斎に行き勉強をする。今日は『魔法科学 魔力と質量の比重について』という論文を読んでいる。


論文によると質量は魔力と放物線状に増えていく。そして今のところ質量に限界はないらしい。これも本編では描かれない内容だ。


これは専門的な論文で高校生が読むものでもないから描かれないのも理解できるけど。


「読み終わったし寝よ。」


部屋に戻った後、魔力を放出し気絶するように寝た。


そしてソフィアを救うとともにもう一つ新しい目標ができた。壮多と凪咲を救うということだ。


――――――――――――――――――――


どうもひじり さとしです。


身体強化について。身体強化は元の身体能力を強くするというものなので、どれだけ魔力があっても体が動かなければ使えるほどにならないというものになってます。


遅れてすみません、予約がズレてました。

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