Episode.7「Especially, in the Mystery」
「で、でも。
ずっと口を開いていなかった
彼は続けた。
「確かに、そういう説明は可能かもしれない。でもそれはあくまで可能性の一つだ。もしかしたらオカルト研究部は、その『生徒を
「まぁまぁ
ほたる君を見れば、何やら
彼はずっと一人で行動していたから、彼だけが知らないのである。
ほたる君は
「あぁ、気を悪くしたらごめんよ。確かに君の言う通り、今までのは僕の想像だ。もしかしたら全部外れていて、本当はオカルト研究部は今もどこかにあるのかもしれない」
でも彼は、またも知らなかった。困り顔で謝罪されることは、謝られる側から見れば
「なんだよ、さっきから。その探偵ぶった変な話し方。ずっと気持ち悪いよ。最初に
「そこまでだ。それ以上はダメだ」
意外にもその場で
「まず
「次にほたる。お前は一人で行動しすぎだ。ほとんど
ほたる君も下を向いて、申し訳なさそうな表情をしている。こうしてみると、
私は
「ほら、お互い謝れ。それで恨みっこなしだ」
怒られて目を伏せていた二人が、ゆっくりと顔を上げる。
「ごめん。気持ち悪いとか、すごく
そう言いながら、
「こちらこそ、本当にごめんなさい」ほたる君も頭を下げる。
「いくらなんでも
二人が顔を上げる。どこか
「よければ、聞かせてもらえるかな。
その言葉を
彼の信念は、オカルトなんて言葉では汚されないくらい、どこまでも本物で
「あの謎も解けるかもしれない、君は数日前、そう言っていたよね」一通りの説明を聞いた後、ほたる君が
「え、そうだったかな。そんな気もするけど……」本人はあまり覚えていないようだ。その直後に押し掛けた女子生徒が、記憶を上書きしてしまったのかもしれない。いったい誰だろう。
「うん、言っていた。『あの謎』っていうのは、要するにこのことだったわけだね。35年前の事件と、その後にできたオカルト研究部についての謎」
「そうだよ。僕が解きたいと思っていた謎は、まさにそれだったんだ」
「……そういう感じの説明で納得してもらえたかな。僕も聞いていい? その、君の……」
「話し方?」ほたる君が
確かに、ほたる君は
しかし、それは逆に言えば、
「別に大した理由ではないけどね。昔から、友達が本の中にしかいなかったんだよ。特に、ミステリ小説の中にしかね」
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