Episode.4「It used to be true」
その後も、
その中には複数の部活に所属しているという先輩もいたが、オカルト研究部に所属している人なんて見たこともないと言う。
さらに悪いことには、その一日だけでは、私たちは全ての部活を回ることはできなかったのだ。
そこで
そして最終日。調査は4日目に差し掛かっていた。今日こそ何か解決の糸口をと思い、積極的に“仮入部”をしていく。残る部活は、
改めて、自分は仮入部をしに来た新一年生なのだ、と
しかしその努力もむなしく、結果はおおよそ
「やっぱ、オカルト研究部なんてないんじゃねえのか」
「無いように見えるだけだよ。どこかには、きっとあるんだ」そう反論する姿は、
しかし私としても努力が
「けれど部活として活動するためには、
「でも……」
「もしかしたら、部活じゃなくて、オカルト研究会としてどこかにはあるのかもしれないけど。いずれにせよ、あなたは他の部活に入らなきゃ」
「そもそも
「えーと、そういうわけじゃ……」
「実はこの高校って、すごくオカルト
「いわくつき?」
「ほら、この高校って、今は
「ある女子生徒が、飛び降り自殺をしたっていうんだよね。それも、すごく
「ちょっと待て。自殺があったのは35年前だよな。でもこっちに学校が移ったのは13年前だろう。時間が空きすぎてないか」
「最初は、そんなに
「
「そう。僕はそれを調べようと思って、この学校に入学したんだよ」
しかし
「だから、オカルト研究部がないと、僕がこの高校に来た理由がなくなっちゃうんだ」
意外にもはっきりとした意志のある青くんに少し
私たちは、それほど部活に真剣ではないし、真剣になる気もない。そのための新聞部なのである。
しかし
私たちと
そういう訳だから、これ以上彼を
少しだけ気まずくなった空気を
「とりあえず、ホームズのところに行きましょ。聞き込みを始めて数日が経ったんだし、もしかしたら、もう真実にたどり着いているかも」
図書館に向かう途中、私はそれとなく
「ねぇ、もし、もしだよ。オカルト研究部が見つからなかったら、どうするつもりなの?
入る部活に迷っているんでしょ。もしよかったら、私たちの部に入らない? とは言っても、まだ正式なものじゃないんだけど」
「どんな部活なの?」
「新聞部だ。とはいっても、俺と
「うーん、誘ってくれるのはありがたいんだけど」前置きして、彼は続ける。
「やっぱり、オカルト研究部が無いって確信できないと,諦めきれないな」
図書館に入ると、私たちはもう一人の部員――
「ライン交換しておけばよかったな」
「図書委員の人に聞けばいいでしょ」言いながら、受付カウンターで暇そうにしている生徒に話しかけた。
図書委員の子によれば、ここ最近は毎日、一人の男子生徒が
その男子は
ほたる君だなと分かった。多分、他二人も分かったと思う。彼はそういう男子なのだ。
「
その声に反応して、彼が顔を挙げる。彼が見ていたのは、ずいぶん古い資料のようだ。黄ばんだ表紙にダサいフォント。なぜそんなものを見ているのかしら。
彼はおもむろに口を開いて、告げた。
「いや、
まじか、と
その表情を見て、ほたる君は申し訳なさそうに
「あぁごめん。
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