Episode.3「We couldn’t find that」
「その話、誰から聞いたの?」
気がついた時には、
僕に話しかけてきた時からうすうす気づいていたが、彼女は
「ね、あなた
突然話しかけられて驚いている
「いや、風のうわさで……」先ほどとは比べられないほど小さな声で、彼が応答する。女の子に突然話しかけられるなんて、慣れていないのだろう。僕だってそうだ。
そんな彼の様子を見かねたのか、
いわく、その
しかしその信ぴょう性は、彼らの中でさえかなり怪しいのだそうだ。確かに、実在している部活が見つけられないなんて、いかにも
「ね、調べましょうよ。この
「え、俺バイトがあるんだけど」
「でも
「うーん、まぁ時間が作れないことはないけどさ」
「そうでしょう。新聞部の活動実績にもなるんだから、時間作ってよ」
盛り上がる二人をよそに、僕は
実在するけど見つからない部活。そんな
もしかしたらこの
でも調査自体が、新聞部――今はあくまで、仮の新聞部だけど――の実績になるのは間違いない。たとえ結果が
しかしその前に、僕らは新聞部に入部してくれる同級生を探さなければならないのだ。
「そういうことだから。
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時は
「それじゃ早速、オカルト研究部があるのかどうか、確かめに行きましょ」
そう言って男子3人をリードする。
「でも、
「その
「
「俺らは4人だから、一人が余ることになるな」
「なら、僕はちょっと図書館に行ってくるよ」
彼はその一言を残して、さっさと行ってしまった。何か考えがあるのかしら、とは思ったけれど、それならせめて教えてほしいと思ってしまう。こんなんだから、ミステリに出てくる探偵は嫌いだ。
まさか、この高校のオカルト研究部について書かれた本が
「とにかく、聞き込み開始ね」気を取り直して言う。
「聞き込みって言ったって、突然押しかけると迷惑じゃないかな」おどおどしながら、
「だからこそ、今のタイミングで行くんでしょ」
彼はまだ、きょとんとしている。もう少し言葉を足した方がいいのかもしれない。
「この仮入部の期間なら、いろいろな部活に押しかける口実があるでしょ、って言っているのよ」
そうして私たちは、それぞれが
この高校の
仮入部という口実に説得力を持たせるためにも、一階には運動が得意そうな
そして、階段をあまり上りたくない私が二階を担当する。
階段を一階分上った先でまず見つけたのは、
私は仮入部をしに来た新一年生。自分にそう言い聞かせながら、重い鉄製のドアをノックする。
「はいはーい、新入生かな」そう言いながら出てきたのは、大きな丸眼鏡をかけた女子生徒だった。上履きの色が黄色だから、今2年生だろう。
「突然すみません。まだ入る部活に迷っていて、仮入部させてもらえないかなと思って来ました」そう言うと、彼女は笑顔で迎えてくれた。
「どうぞどうぞー」
入ると、
机の上はおおむね
私はしばらく談笑しながら、
彼女らによると、この部の基本的な活動は、好きな本を読んで感想を交換したり、自分らで
説明もひと
「実は、一年生の間ですごく有名な
「あぁ、その
「実は、私たちが一年生の頃からその
もしくはいま
「でも結局、正体は分からなかったなぁ。部活動は、一か月に一回活動報告書を出さなきゃいけなくて、それは学校の
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