個人ブログ−宇宙の暗黒と色彩

 個人ブログ『宇宙の暗黒と色彩』より抜粋


[1,000,000,000,000,066,600,000,000,000,001]人目の探索者へ捧ぐ。


 本日取り上げるのは「流星群」。

 今世間を騒がせているこの話題を知らない人のために少しだけ概要を載せよう。−まあ、そんな者はいないと思うが。

 

① 2021年10月15日午前2時30分 から約5分間に渡り、夜空をおうし座南流星群が占拠した。

② 10月20日に女子高生Kが同級生5名を殺害し、自死。

③ それを皮切りに全国各地で同様の事件が散発的に発生。

④ 日本政府がMeteorVirus Infectious Disease, emerged in 2019、略してMVID-19の存在を公表。

⑤ 2019年12月10日、政府は宇宙由来の未知のウイルス=流星ウイルスが新型インフルエンザ等対策特別措置法上の「新感染症」に該当すると判断。2類感染症の位置付けとなる。

⑥12月22日、同法32条に基づく緊急事態宣言が発令。


 平和な日本でまさか未知なる感染症のパンデミックが発生するなんて、誰が想像できた?−そもそも本当に感染症なのかどうかも怪しいところだが。

 なお、パンデミックの真実について知る覚悟があるものはこちら。

Ph-nglui.mglw-nafh.fhtagn.jp/entry/20210231/p1


 下が我が信奉者達が命を賭して拾い集めてくれた情報だ。

 なお、知ってしまうと正気ではいられなくなることから、彼らの実名は伏せる。

 

起きた日   犯人   被害人数 その後


10月20日 女子高生イ  5名  自死

10月28日 男子中学生ア 0名  行方不明

11月03日 無職青年イ  7名  自死

11月07日 主婦ア    3名  自死

11月15日 老父ル    4名  自死

11月21日 母親ル    1名  行方不明

11月30日 医師イ    8名  自死

12月09日 警察官エ  18名  射殺

 

 最初は誰もが半信半疑だったが、今では世間が彼らを恐れている。口に出すのも憚られる名状し難い力を持つ者ー「潜伏者キャリア」を。

 特に緊急事態宣言に影響を及ぼしたのは最後の警察官が起こした事件だろう。射殺されなければ犠牲者はもっと増えていただろうし、

 姿

 ああ、神よ!

 流星群は宇宙から何を運んできた?

 未知の病原菌か?

 既知の生物兵器か?

 それとも宇宙からの来訪者か?

 

 だが探索者たちよ、誓って私はそんなものを見たりはしていない。ああ、勿論だとも。そうでなければ私はこうして正気を保つことなんてできやしないのだから。

 残念ながらこれからもその影響は広がり続けるだろう。それに呼応して、凍てつく暗黒空間より不可視の存在が降り立つ日が来るやもしれない。その時まで、できる限り穏やかに過ごそうではないか。

 おや、今日の月はやけに暗いな。空にはこんなにも赤い星々が瞬いているというのに。

 いや、まて。あの影。霞む夜空に青白く染み出した弓張り月。怪しく輝くその遥か上…。途方もなく巨大で、ごつごつした。暗黒より飛来せし灼熱を帯びたもの。

 そうだ、あれが流星だ!あれこそが小惑星なのだ!

 おい、今すぐ窓の外を見ろっ!

 空に!空に!

 

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