面倒見のいいマンション管理人が、宇宙ステーションにいる
マンション管理人の仕事は、実に大変だ。
マンションの住人同士が安心して暮らせるようにするのが仕事だ。
マンションの点検、清掃、業者による設備点検の立ち合いなど当たり前だ。
自分の受け持ちのマンションに、優秀な大学の先生が事務所を借りている。
礼儀正しい人で、時々挨拶するのだが今日はいつになく渋い顔をしていた。
「あの、大丈夫ですか? ずいぶん悩んておられますね」
マンションのトラブルになるかもしれない、クレーマーみたいな住人だったら見なかったことにするんだが、この人は私にも優しいので声をかけた。
「う、うん。人が見つからなくてね」
「へぇー、誰ですか? さぞや高い技術が必要な人物なんでしょうね」
「まあ、技術って言えば、技術かな?」
「資格とかいるんですか?」
「いや、いらない」
「へぇー。そうなんですか?」
「んー」
その大学の先生は、私の顔をマジマジと見つめてきた。
「あ、あの。何です?」
(トラブルは、困るなー)
「よし、君に決めよう。君の会社、いつののマンションの案内に書いてある住所だったよね?」
「え? そうですけど。 え?」
先生は僕の方を肩をポンポンと叩きながら、こう言った。
「大丈夫、大丈夫。 宇宙ステーションもマンションも一緒だからー」
会社は、高額な依頼料と会社の知名度が上がると言うことで二つ返事でOKした。
翌月。
ロシアのロケットで、宇宙ステーションに到着していた。
俺、無事に帰れるのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます