第10話 初歩の初歩

 荒廃したビル。

 それに巻き付くように生えている、コケやツタ。

 道路は割れそこからも草が生えている。

 俺は、少し早くゲームの世界に来ていた。

 そこで、動画を開く。

『こんちゃろー』

『だぜー』

 おなじみのキャラクターが画面の端で挨拶をする。

 機械のボイスに読ませ、ゲームの解説をする。ゆっくり実況を見ていた。

 このゲームを一から理解するために、動画を見て動きながら勉強しようとしていた。

『今回は、最近有名なゲーム。ピーマグについて解説していくぜ』

『そもそも、ピーマグって何の略なの?』

『ニューフルダイブプレイヤームーブメントアナリシスゲーム』

『なにそれ』

『直訳すると、新しいフルダイブプレイヤーの動きを解析するゲームだな』

『それの頭文字ってNFDPMAGだよね』

『呼びやすいようにピーマグだけで呼んでる感じだぜ。さらにサバゲーやってる人たちはたまにマガジンって呼んでるのも見るぜ』

『それはなんで?』

『ポリマーマガジンの略がピーマグだからだぜ』

 そーなのか。

 このゆっくり実況、ちょっとした雑学もあって面白いかもしれない。

『知ってる人も多いと思が、少し前にサ終したゲームのシステムの大体の部分が同じだぜ』

 少しやったが確かに、同じ部分は多かった。

『五分間のバトルで、相手チームと、ステージ上に配置された3つの拠点を奪い合い、最終的に制圧した拠点の多かったチームが勝利となる。また、キャラクターや拠点に対して使用できる4枚のスキルカードや、「アビリティ」と呼ばれるキャラクター固有の特殊能力、「キャラアクション」と呼ばれる特定の効果を持つ動作、「キャラスキル」と呼ばれるキャラ固有の特殊な技などを使用することで、多様な戦略を生み出すことができる。これが前作と同じ部分だぜ。』

『サイトの解説コピペしただけじゃん』

『うるせぇ! 今度は前作と違う点をまとめたぜ』

 動画のモニターに、メモ用紙のような画像が張られる。


 一、縦軸の移動ができる。

 二、味方にも攻撃判定がある。

 三、通常攻撃の自由度。


 大きくこの三つだった。

 縦軸の移動を実感するために少しジャンプする。

 現実と何ら変わらないジャンプ、それが前作では出来なかった。

 前後ろ、右左の移動。敵のスキルで飛ばされない限り上に対する移動はできなかった。

 しかし、ジャンプで上移動を可能になったことで戦略の幅が増えたともいえる。

 二つ目の、味方にも攻撃判定がある

 これについては、今できるものじゃないので再度動画を再生する。

『味方にも攻撃判定があることについてだが、これはダメージがある訳じゃないぜ』

『フレンドリーファイアオンってことじゃないのね?』

『そうだな、分かりやすい例だけど、前作もあったスタンスキル。これだが、味方に当ててもスタンしてしまうんだぜ』

 なるほど。ちゃんと考えて、カードスキルを使わないといけないわけだ。

 味方をスタンさせたら、もちろん不利状況になるし。前作強かった周囲スキルの弱体化みたいなものか。

『攻撃スキルカード、サポートスキルカード。この二種類とも「遠」「周」「近」「連」で構成されているわけだが、前作では「周」「遠」が強かったから、その弱体化を狙ったんだと思うぜ』

 やはりそうらしい。

『この他にも、自分の即時回復、持続回復。味方の即時回復、持続回復。がある回復スキルカード。自分の移動、攻撃、防御。もちろん味方にも効果があるものもある、強化スキルカード。ダメージをカットしてくれるガードスキルカード。敵や拠点にテレポートできるスキルカード。もちろん強いスキルはクールタイムが長いので、それを考えてスキルを四つ選んで戦うぜ』

 そこらへんは前作と変わらないが、動き次第では全く違ったスキルカードが環境に入るかもしれない。

『さて、ラスト三つ目だぜ』

『通常攻撃の自由度だったけど、ナニコレ』

『これは、設定をいじらないとだけど。照準アシスト機能をオフにすることでできるぜ』

『え、そんなことをしたら当たらないんじゃ』

『いいところに気づいたな。このゲーム「タンク」「スプリンター」「アタッカー」「ガンナー」の職があるが、特にガンナーこれが厄介なんだぜ』

『どういうこと?』

『名前の通りガンナーは、他のキャラより通常攻撃の射程が長いキャラの集まりなんだが。アシストオンだと、敵キャラの胴体の中心に照準が吸い寄せられるようになってるんだぜ』

 確かに、前作でもそうだった。

 というか、攻撃さえ出せればヒット扱いになっていたため、照準を合わせるというものがなかった。

『だけど、敵は動くんだぜ』

『あっ』

『動きが速いキャラが敵の場合、当たらないこともあるぜ』

 通常攻撃の自由度が上がった。これだけ聞けばプラスだが、実際は難しい要素が増えただけだった。

『だから、あえてオフにすることで敵の動きを予測して攻撃を当てる。これが可能になったぜ』

『でも、これって玄人向けだよね』

『もちろん、必須スキルってほどでもない。でも、上位プレイヤーはやってることが多いぜ』

 確かに、ガンナーは射程の暴力ともいえる攻撃をする。それこそ、並のアタッカーなら完封できる可能性すらある。

 先ほどと同じように、実質的な弱体化と見たほうがいいかもしれない。

 しかし、ガンナーだけでなく他の職もオフにできる。これは動きに幅ができてプラスかもしれない。

 これも、自分一人では練習できない。

 あいつらが来るまで、待つかと思っていると。

 tiscordに着いたから開けてくれと、チャットが来る。

 いったんゲームを終わり、玄関を開けに出た。


●あとがき

 今回ゲームの説明が多くてすいません! 多分読みずらいし、理解もしずらいかと思いますので、要所要所でまた若干挟むかもしれません。ですが、ゲームのシステム的なものはこれが基本ですので、これを覚えてしまえば大丈夫かと思います。

 ちなみに、ちゃんと元のゲームもあって「コンパス」ってスマホゲーなんですけど、さらに知りたい方いましたらYouTubeで検索してみてください。

 さらに、一話目を直して再投稿しました。前回とかなり変わっていますが、こっちの方が入りやすいかと思いましたので、ぜひもう一度読み直してみてください。

 今回も読んでいただきありがとうございました。もう少し投稿ペース上げていく予定ではありますが、気長に待っていただけると幸いです。

 最近季節の変わり目ですので、お体に気をつけてください。それでは!

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最強のゲーマーはその座をだれにも渡さない ねこくま @nekokumakanran

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